工務店HPに載せるべき7つのコンテンツ
ホームページを見ているのは「まだ相談していないお客様」

「うちもホームページは持ってるよ。でも、そこから問い合わせが来たことはほとんどないな」——地域の工務店さんとお話ししていると、この言葉を本当によく聞きます。
ただ、ここで見落とされがちなことがあります。ホームページから直接問い合わせが来ていなくても、お客様はほぼ確実に見ているということです。
紹介で名前を聞いた。チラシが入っていた。現場の前を通って看板を見た。そのあと、お客様が何をするか。スマホで社名を検索します。そして、ホームページを見て「ここに相談してみようか」「うーん、やめておこうか」を静かに決めている。つまりホームページは、集客の入口というより「最後の関門」なんです。
ここで大事なのは、お客様が見たいのは会社の自慢話ではないということ。家づくりは人生で一番高い買い物で、しかも一度きり。素人が数千万円の判断をしなければならない。だから探しているのは、たったひとつ。「判断するための材料」です。
この記事では、その判断材料になる7つのコンテンツを、実際にどう作ればいいかまで含めてお伝えします。すべてを一度にやる必要はありません。1つずつで十分です。
1. 施工事例:写真より「文章」で差がつく
まず間違いなく一番見られるページです。ただ、多くの工務店さんの施工事例は「きれいな写真が5枚並んでいるだけ」で止まっています。これはもったいない。
お客様が本当に知りたいこと
写真だけでは「上手そうだな」までしか伝わりません。お客様が知りたいのは、自分と似た人がどんな悩みを持ち込んで、どう解決してもらったかです。
明日からできる形
1事例につき、この4項目を短く書き足すだけで印象が変わります。
- お客様の状況:「築38年の実家を二世帯にリフォーム。ご両親の寝室を1階に移したいというご相談でした」
- 困っていたこと:「冬場、廊下と脱衣所が寒く、お父様の体調が心配とのことでした」
- どう解決したか:「1階に浴室と寝室をまとめ、断熱材を入れ替えました」
- やってみて大変だったこと:「梁の状態が図面と違い、間取りを一部変更しました」
特に4つ目の「大変だったこと」は、書きにくいからこそ効きます。うまくいった話ばかりのページは、お客様も「まあ都合のいいことしか書かないよな」と割り引いて見ている。予定外のことが起きたとき、この会社はどう対応するのか——それが伝わる事例は、10件のきれいな写真より信用されます。
まずは過去の現場から3件。社長の記憶に一番残っている3件で構いません。
2. 価格の目安:出すと問い合わせの「質」が変わる
「うちは一棟一棟違うから、金額なんて出せない」——おっしゃる通りです。ただ、お客様側から見ると、金額がどこにも書いていない会社は「相談したら断りにくくなりそう」と映ります。だから問い合わせを控える。
正確な金額でなくていい
必要なのは見積書ではなく、「自分が相談していい相手か」を判断できる範囲です。
- 「新築注文住宅:延床30坪で、本体価格2,000万円台のご依頼が中心です」
- 「水まわり4点セットのリフォーム:150万〜250万円が多いです」
- 「※構造や設備仕様により変わります。現地調査のうえ、正式なお見積りをお出しします」
この一言があるだけで、予算が合わない方は自然と離れ、合う方だけが問い合わせてきます。営業が断りに行く手間が減るという、社内向けのメリットの方が大きいかもしれません。
なお、書けない数字は書かないでください。「相場より安い」といった根拠のない表現は、後々のトラブルの種になります。
3. 社員紹介:「誰が来るのか」が最大の不安
お客様は会社と契約する前に、人を見ています。「見ず知らずの人が何ヶ月も家に出入りする」というのは、思っている以上に緊張することです。
載せるのは3つだけ
顔写真(作業着で現場に立っている写真がベスト)、名前、そしてひとこと。この「ひとこと」を、資格や経歴ではなく人柄が出る内容にするのがコツです。
「二級建築士。休みの日は子どもと川釣りに行っています。図面より現場で考える方が得意です」——これくらいで十分。スーツのかしこまった写真より、現場の写真の方が安心されます。
社長のあいさつも、創業年数と理念だけでなく、なぜこの仕事を選んだのかを数行足してみてください。「父の代からの大工で、自分は継ぐつもりがなかったが…」というような、その会社にしかない話が一番読まれます。
4. 保証とアフターサービス:「引き渡した後」の話
お客様の不安は、建てる前より建てた後に集中しています。「不具合が出たら誰に言えばいいのか」「10年後もこの会社はあるのか」。
だからこそ、地域工務店にとってここは最大の強みです。大手にはできない距離感がある。
書き方の例
- 引き渡し後の定期点検のタイミング(何ヶ月後、何年後に伺うか)
- 不具合が出たときの連絡先と、対応の流れ
- 実際の対応事例:「引き渡し2年目に建具の建て付けが悪くなり、当日中に調整に伺いました」
- 法律で定められた保証(住宅瑕疵担保責任保険など)への加入状況
特に3つ目の実例が効きます。「アフターも万全です」という言葉は誰でも書けますが、実際に何をしたかの記録は、その会社にしか書けません。
5. 家づくりの流れ:初めての人は「順番」を知らない
業界の人にとっては当たり前の段取りも、お客様にとっては完全に未知の世界です。「まず何をすればいいのか」がわからないから動けない、というケースは非常に多い。
相談 → 現地調査 → プラン提案 → 概算見積 → 契約 → 着工 → 上棟 → 完成検査 → 引き渡し。この流れを図か箇条書きで示し、各段階でお客様がやること・かかる期間・お金が動くタイミングを添えてください。
そして最初の一歩には、必ずこう書き添えてください。「初回のご相談・現地調査は無料です。この段階で契約をお願いすることはありません」。踏み出せない人の背中を押すのは、こういう一文です。
6. よくある質問:営業マンが毎回答えていること
これは一番ラクに作れて、効果が出やすいコンテンツです。作り方は簡単。営業担当や社長が、商談で毎回聞かれることを書き出すだけ。
「土地探しからでも相談できますか」「住みながらのリフォームはできますか」「工期はどれくらいですか」「他社の見積もりと比べてもいいですか」「ローンの相談にも乗ってもらえますか」——こういった質問です。
次の営業会議で10分もらって、全員に3つずつ挙げてもらってください。それだけで15〜20問集まります。答えは3〜4行、話し言葉のままで構いません。きれいな文章にしようとしないことが続けるコツです。
7. 対応エリアと会社の基本情報:意外な落とし穴
最後は地味ですが、抜けていると致命的な項目です。
- 対応エリア:市町村名まで具体的に。「〇〇市、△△町を中心に、車で1時間圏内」
- 住所・電話番号・営業時間:全ページから見える位置に。スマホでタップして電話がかけられる設定にしておく
- 建設業許可番号、加入団体:信用の裏付けになります
- 地図:実際に来られる方のために
そして、必ずご自身のスマホで一度ホームページを見てください。今のお客様はほぼスマホです。文字が小さすぎないか、電話番号がすぐ見つかるか、問い合わせフォームの入力項目が多すぎないか。フォームの項目は、名前・連絡先・相談内容の3つで十分です。項目が多いほど、途中でやめる人が増えます。
まとめ:全部やらなくていい。3つの事例から
7つ挙げましたが、今日から全部に手をつける必要はありません。優先順位をつけるなら、この順番です。
- 施工事例を3件、文章付きで(最も見られ、最も差がつく)
- よくある質問を10問(社内の知恵を集めるだけででき、工数が最も軽い)
- 社員紹介と価格の目安(問い合わせのハードルを下げる)
ホームページは、作って終わりのパンフレットではありません。現場で起きていること、お客様に毎日答えていることを、そのまま置いておく場所です。特別なことを書く必要はない。すでに社内にある情報を、外から見える形にするだけです。
とはいえ、日中は現場、夜は見積り、という毎日のなかで文章を書く時間を確保するのは簡単ではありません。まずは事例1件から。現場写真にひとこと添えるところから始めれば十分です。なお、こうした工務店×AIの実務は、AI業務代行「マルオくんAI」(株式会社ウィズモー提携)に丸投げできます。
監修:株式会社ウィズモー(工務店の事業促進・社内改善支援)
