工務店SNSで伸びるルームツアー動画|撮影と編集の全手順

結論:工務店SNSのルームツアーは「家の紹介」をやめた瞬間に変わる

YouTubeやInstagramでルームツアーを出している。でも再生数が伸びない、いいねもコメントも付かない、問い合わせにつながらない——。今回の動画は、その原因を撮影の現場レベルまで掘り下げた「保存版」の回です。小倉は冒頭で「ルームツアーはただ家を紹介するだけだと絶対に伸びません」と話しています。ゲストには、地域工務店のYouTube・Instagram向けルームツアーの撮影から編集、ディレクションまでを専門に手がける制作ディレクターの方を迎え、集客できるルームツアーと、できないルームツアーの分かれ目が解説されました。

先に結論だけ持ち帰るなら、要点は次の3つです。

  • 1本につき1つのコンセプトを決めて撮る。順路をなぞるだけの「家の紹介」は伸びない
  • うまく撮れない原因は機材ではなく、ほぼ準備不足。段取りで画は決まる
  • 高額カメラは不要。スマホ+数万円の機材とカメラワークの基本で十分プロ級に近づける

工務店SNSで「意味のないルームツアー」になる3つの共通点

ゲストの方は、年間30〜40棟規模の工務店のSNS運用を複数担当していると語られています。そのうえで「難しいというか、大体みんな間違っています」と指摘。伸びないルームツアーには、次の共通点があるといいます。

① ただの家の紹介になっている

玄関から入ってリビングへ行き、二階をぐるっと回って終わり。「そんな動画ばかり」だと語られています。縦型ショートは指一本で飛ばされる世界なので、文字が多いだけの紹介では読まれません。そこで必要になるのがコンセプトです。中庭のある家、ガレージのある家、吹き抜けの抜けと解放感——その家で一番見てほしい一点、説明したら刺さりそうな一点にフォーカスして構成する。切り口を変えるだけで見られ方が変わる、という趣旨の説明がありました。

② ストーリー性がない

商品説明だけで、施主のストーリーが動画に一切現れていないケース。特に「男性社員がスーツのままテンションだけで浴槽に入るような演出」は、ノリだけで何も伝わっていないのではないか、と語られています。撮影の前に企画とコンセプトを固めることが先決だという整理です。

③ 住む人目線が抜けている

シューズクローク、ファミリークローゼット、家事動線。そこには必ず施主の意向が乗っているはずなのに、その背景を汲み取らないまま「はい、ここが収納です」と流してしまう。「なぜこれがここにあるのか」を語れるかどうかが、視聴者にとっての分かりやすさを決め、結果として視聴維持につながる、という考え方が示されました。

うまく撮影できない理由は、すべて「準備不足」

スマホの性能か、機材か、照明か。動画内ではそのいずれも否定され、「全ては準備不足」だと結論づけられています。準備の中身は3点に整理されていました。

準備項目 やること やりがちなNG
誰のための動画か 視聴者目線で企画を立てる スタッフが撮りやすい・楽な順路で撮る
何を伝えたいのか 営業担当と撮影担当で事前に打ち合わせ ぶっつけ本番。現場で考え始める
撮影の流れ 間取りを見て施主の意図をヒアリングし、カメラワークまで想定 「とりあえず一周撮るか」

特に印象的だったのが、1軒で何本撮るかを事前に決められるという話です。紹介用のルームツアーは当然撮るとして、それとは別に企画物を何本立てるか。現場に入る前にここまで決めておけるかどうかで、持ち帰れる素材の量が変わります。

初心者が陥りがちな落とし穴としては、①高額カメラを買って満足してしまう、②撮りっぱなしで編集が止まり素材だけが溜まる、③モチベーションが続かず継続できない、の3点が挙げられました。②③への処方箋が「縦型ショート」です。30秒前後なら制作のハードルが低く、多少下手でも回数を回せる。横型の20〜30分をスマホで編集するのは無理があるが、ショートなら1日ほど時間をかければ一通り吸収できる、と語られています。

絶対NGな撮影方法とカメラワークの基本

「ここを押さえるだけで7〜8割改善するかもしれない」とまで言われた、最重要パートです。

項目 NG 正解
カメラワーク 解説に合わせて上下左右に振る スマホは動かさない。全体を引きで見せる
構える高さ 身長なりに高く持つ 胸の位置。低いほど天井が高く見える
持ち方 片手・脇が開いている 両手でがっちり、脇を締め、体ごと向きを変える
曲がり角 直進して90度でぐいっと曲がる 斜めに振りながら回る(白壁が映り続けると離脱)
足元・速度 普通に歩く 腰を落としてすり足。速度はゆっくり
照明 ダウンライト全開 日中の自然光のみ。暗いトイレ等だけ点灯

照明を「消す」というのは、多くの工務店にとって逆の発想ではないでしょうか。動画では、採光が取れている家なら照明なしの日中撮影が最もきれいに映り、ダウンライトの光を上から拾うと視聴者のストレスになる、と説明されています。プロのカメラマンの世界でも照明を落として撮るほうがよいとされる、という補足もありました。また、画を大きく切り替えたいときは一度止めて、切り替え後から撮り直し、つなぎ目は編集でカットする。急激なカメラワークの変化は見る側のストレスだから、という理由です。

編集アプリ3つと、数万円で揃う撮影機材

編集は、スマホで完結するアプリで十分だと語られています。

  • Canva:サムネイル制作用。リール動画も表紙(カバー)を設定したほうがよく、「帰宅動線」「キッチン紹介」など、何の動画かが一目で分かる表紙を作るために使う。有料プランは月額1,500円程度と言及されています
  • CapCut:カット・テロップ入れの主力。話す系の動画なら自動で字幕が付く機能も便利。ただしウォーターマーク(透かし)は必ず消すこと、アプリ特有のエフェクトを使いすぎないことが注意点として挙げられました
  • もう1つ、自動文字起こしができる無料の編集アプリも紹介されています。操作性の好みで選べばよい、という位置づけです

プロが使う本格的な編集ソフトは「学習コストが高く、社員が独学で始めると挫折する」として、一旦見送りが推奨されていました。機材については、動画内で次の目安が挙げられています(金額はいずれも動画内で語られた概算です)。

機材 目安 ポイント
スマホ iPhoneなら13以降が目安 0.5倍の広角が使えること、画質
ジンバル 2万円前後 DJI社のOsmo Mobileなど最新モデルでよい
マイク 2〜3万円前後 安価品は故障・雑音・接続不良が起きやすい
照明 1万円以下 ノウハウ系・定点撮影用に1〜2灯
三脚 5,000円以下 高さは人の目線あたりが映りがよい

成果事例としては、ルームツアー1本で29万回再生に達しそこから新規集客につながった例、YouTubeの定期更新を続けて年間で億単位の売上をつくっている例、フィード投稿からリール投稿に切り替えてフォロワーが2倍以上・いいねが4倍近くになった例が語られています。いずれも動画内で紹介された数字であり、成果を保証するものではありませんが、「知っているか知らないかだけで結果が変わる」という主張の裏づけとして挙げられていました。

明日からやること

  1. 次の完成現場の間取り図を、撮影前に机に広げる。施主がなぜその間取りにしたのかを営業担当に5分ヒアリングし、「この家の一番」を1つ決める
  2. 1軒で何本撮るかを先に決める。紹介用ルームツアー1本+企画物2〜3本、というように本数と切り口を紙に書き出す
  3. 撮影は縦型ショート30秒前後から始める。横型長尺は継続のハードルが高い
  4. カメラワークの型を社内で統一する。胸の高さ・脇を締める・すり足・ゆっくり・曲がり角は斜めに、の5項目を撮影チェックリストにする
  5. 当日は照明を消し、日中に撮る。暗所だけ点灯
  6. CanvaとCapCutを入れ、表紙(サムネイル)を必ず作る。透かしの削除も忘れずに

よくある質問

高性能な一眼カメラを買うべきですか?

動画では「スマホで十分」と明確に答えられています。高額カメラは機能が多いぶん扱いが難しく、「買って満足」で終わりがちだという指摘です。基準は0.5倍の広角が使えることと画質で、iPhoneなら13以降が目安として挙げられていました。

縦型と横型、どちらを優先すべきですか?

「断トツで縦型」と語られています。30秒前後で1本が完結するため制作のハードルが低く、多少不慣れでも本数を回せて継続しやすいから、という理由です。1軒の家を1分で回りきらず、特定の箇所だけを切り取って何本も出す、という使い方も紹介されました。

撮影担当が社内にいません。誰がやればいいですか?

動画では、広報担当や社長、営業担当が撮るケースが多いことを前提に話が進んでいます。重要なのは担当者のスキルよりも、営業担当が「何を撮ってほしいか」を撮影担当に事前共有することだと繰り返し強調されていました。家のプロが関わらないと、何を伝えたい動画なのか分からなくなる、という点も指摘されています。

まとめ

ルームツアーが伸びない理由は、カメラでも編集ソフトでもなく、撮る前に何も決めていないこと。今回の動画は、その「決めるべきこと」を企画・カメラワーク・編集・機材の4方向から具体化した内容でした。まずは次の完成現場で、間取り図を広げて「この家の一番」を1つ決めるところから始めてみてください。

続きや実際のやり取りは動画でご覧ください: YouTubeで動画を見る

なお、撮影や編集そのものは社内で回せても、投稿管理や台本づくり、問い合わせ対応まで手が回らないという声もよく聞きます。工務店×AIの実務は、AI業務代行『マルオくんAI』(株式会社ウィズモー提携)に丸投げできます。

監修:株式会社ウィズモー(工務店の事業促進・社内改善支援)

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