工務店集客を24時間動かす「無人内見くん」を実際に試した

結論:工務店集客の「営業マンが対応できない時間」を、モデルハウスが自分で稼ぐ時間に変える

モデルハウスは建てた瞬間から固定費が発生します。それでも週末しか案内できない、当日予約が入っても同行できる営業マンがいない——そんな理由で来場機会を逃している会社は少なくありません。

今回の動画で小倉が体験したのは、営業マンが一人もいないモデルハウスに、スマートフォンの操作だけで入って見学し、そのまま退出するという一連の流れです。サービス名は「無人内見くん」。動画では「24時間365日、営業マンがいなくてもモデルハウスの内覧が可能な集客サービス」と紹介され、すでに全国150店舗が導入していると語られています。

要点を先に整理すると、次の3つです。

  • 顧客都合の時間に見てもらえる:平日昼間、仕事帰りの夜など、営業マンのスケジュールに合わせる必要がない
  • 放置ではなく「有人の手前」の仕組み:カメラ・通知・アンケートで、来場後の営業活動につなげる設計になっている
  • コストは月額1万5,000円(動画内で語られた金額):営業マン一人の人件費と比べたときの位置づけが語られています

背景:予約のハードルは、実は会社側の都合でできている

動画の冒頭で小倉が挙げたのは、地域工務店から実際によく聞く悩みです。

  • モデルハウスを建てたのに集客が伸びない
  • 予約が入っても営業マンが対応できず、来場を逃す
  • 当日予約に対応しきれず、アポにつながらない

小倉はこの構造について、「予約しなければいけない」「営業マンと日程を合わせなければいけない」というルール自体が、実は工務店側の都合ではないかと問いかけています。お客様からすれば、気になる物件は昼に少し、夜に少し見たいだけ。その差が、そのまま来場数の差になっているという見立てです。

予約から解錠まで:小倉が現地で試した実際の手順

動画では、小倉がその場で何も準備せずに予約を取り、実際に玄関を開けるところまでを通しで見せています。開発者として同行された市川さんの説明とあわせて、流れを整理します。

ステップ やること ポイント
1. 予約ページへ 自社サイトやQRコードからアクセスし、物件を選ぶ 見た目は通常のモデルハウス予約フォーム。そこからサービス側の画面へ移行
2. 日時を指定 「今すぐ」「今夜10時」「朝9時」など希望枠を選択 通勤中にサイトを見て、その日の夜に予約という動きが可能
3. 会員登録 メールアドレスとパスワードを設定 2回目以降は個人情報の再入力が不要になる
4. 本人確認 住所入力と身分証の写真アップロード、携帯番号による認証 登録内容に不備があれば再登録を依頼する運用と説明されています
5. 現地で解錠 予約時間内だけ「玄関解錠」ボタンが有効になる 予約時間の前後は操作できない設計

小倉によれば、予約完了までにかかった時間は「2分かからないくらい」。現地で解錠ボタンを押すと玄関が開き、同時に住宅会社側が設定したメールアドレスへ「解錠されました」という通知が届く仕組みです。小倉は「いつ来たか分からないと怖い。逆に言えば、構えて待っていなくていい」と、この通知の価値に触れています。

無人でも放置しない:館内の設計とセキュリティ

入室後、小倉がまず手に取ったのはシューズボックスの上に置かれた案内カードでした。開発者の市川さんは、この位置に置くとほぼ確実に手に取ってもらえると説明しています。無人運営で効いていた工夫は、次のようなものです。

  • 注意事項カード:ペット同伴不可、カメラ設置中、予約時間内での退出など
  • 「していいこと/ダメなこと」の明示:照明やソファ、収納や窓、キッチンの開閉は可。一方で水まわりの使用は不可
  • 布製メジャーの設置:寸法を測れるようにしつつ、金属製で内装を傷つけないよう配慮
  • 各所のポップ:間取り図のほか、「天井高2.7m」といった仕様を景観を損なわない形で掲示
  • 足型マークとスリッパ:見学後に毎回スタッフが整えに行かなくて済むようにする導線づくり
  • 持ち帰り資料:次の接点をつくるためのパンフレット類

セキュリティについては、複数台のカメラが音声付きでリアルタイム確認できるようになっていました。市川さんはペットの見守りカメラのような機器で十分な抑止力になると話し、動画内では実際に警報を鳴らす、カメラ越しに話しかけるといった機能も実演されています。小倉が備品を持ち帰るふりをすると警報が鳴り、その後スピーカーから「ご来場ありがとうございます」と声がかかる場面もありました。

実績については、過去1万人以上の利用で、物を壊された・盗まれた・窓が開けっぱなしといったトラブルは一切ないと語られています。

動画内で語られた数字:反響、次回アポ、コスト

ここからは、動画内で市川さんが語った数字です。いずれも会社ごとのプロモーション方法によって差があるとの前置きがあり、成果を保証するものではありません。

項目 動画内で語られた内容
導入実績 全国150店舗(大手ハウスメーカーから地域ビルダーまで)
反響の変化 うまくいった会社で導入前の2.4倍。月1〜2組だった新規来場が月3〜5組規模に
最も多い事例 月30組、年間400組規模の来場
次回アポ率 九州のある住宅会社で約57%が次回アポにつながったと語られています
ランニングコスト 月額1万5,000円(1棟分)
初期費用 カメラとスマートロックは買い取り。モデルハウス売却後は移設して再利用可能
提供開始 2018年に賃貸オーナー向けとして開始、2020年4月から住宅会社向けに展開

小倉はコストについて、「5棟に入れても月7万5,000円。営業マン一人の人件費の4分の1程度で、モデルハウスがいつでも見られる状態になる」と計算して見せています。

あわせて重要なのが、「合わない会社もあるか」という小倉の質問への回答です。市川さんは、モデルハウスを持っていない会社と、人で売る方針の会社を挙げたうえで、後者については補足をしています。無人内見くんは接客を無人にするためのものではなく、少数精鋭で売るための効率化ツールであり、「売るための一歩手前のツール」という位置づけだと語られています。名前の印象だけで「うちは営業マンが売るから不要」と判断されがちな点に、あえて触れた形です。

退出まで含めて仕組み:見学終了報告がアンケートになっている

見学を終えるときは、玄関扉の室内側に貼られたQRコードを読み込み、ログインして「内見終了報告」を押します。押す前に「窓の閉め忘れはありませんか」「電気の消し忘れはありませんか」という確認が表示され、終了を押すと施錠されて開かなくなる流れです。

ここで見逃せないのが、この終了報告がそのままアンケートになっている点です。個人情報を取得したうえで、最後に感想まで回収して帰っていただける設計になっていると説明されています。動画の後半では、来場者の傾向についても触れられていました。小さなお子様連れで土日の営業スケジュールに合わせにくい方、共働きで夜しか見られない方が平日昼や夜に利用し、そのまま契約に至ったケースがあると語られています。

明日からやること

このサービスを導入するかどうかは別として、動画から持ち帰れる実務的な論点は次の通りです。

  1. 自社モデルハウスの「空いている時間」を数える:週のうち何時間が案内可能で、何時間が閉まったままかを出す。固定費をその時間数で割ると、1時間あたりの機会損失が見える
  2. 断った予約・取れなかった予約を記録する:当日予約、平日昼、夜間の問い合わせが月に何件あるかを1カ月だけ集計する
  3. 無人を想定して館内を点検する:説明なしで伝わるか。間取り図、仕様ポップ、持ち帰り資料、メジャー、スリッパ導線を用意できているか
  4. 「していいこと/ダメなこと」を1枚にする:有人案内でも、お客様が遠慮なく体感できるようになる
  5. 見学後24時間以内の連絡ルールを決める:動画では、見学終了のタイミングで架電するとほとんどつながり、次の接点につながりやすいと語られています

まとめ

無人内見くんは、営業マンを減らすための仕組みではなく、営業マンが本来やるべき商談に集中するための前工程の仕組み——動画を通して見えてきたのはその位置づけでした。モデルハウスという最も高い固定費資産を、24時間稼働させられるかどうか。工務店集客の打ち手として検討する価値のあるテーマです。

続きや実際のやり取りは動画でご覧ください: YouTubeで動画を見る

なお、こうした工務店×AI・デジタルツールの導入検討や運用まわりの実務は、AI業務代行『マルオくんAI』(株式会社ウィズモー提携)に丸投げできます。

よくある質問

Q. 無人にすると、営業マンの出番がなくなりませんか?

動画では、このサービスは接客を無人化するものではなく、少数精鋭で売るための効率化ツールだと語られています。見学後は営業マンが追いかけて個別面談につなげる流れで、あくまで「売るための一歩手前」の位置づけという説明でした。

Q. 防犯やいたずらが心配です。

事前の身分証登録と携帯番号による認証、玄関の注意事項掲示、音声付きカメラの設置という多層の対策が紹介されていました。カメラからは警報を鳴らすことも、来場者に話しかけることもでき、動画内で実演されています。過去1万人以上の利用で、破損・盗難などのトラブルは一切ないと語られています。

Q. モデルハウスが売れたら、設備は無駄になりますか?

カメラとスマートロックは買い取りのため、そのモデルハウスの役目が終われば移設して次の棟で使い回せると説明されています。月額は1棟分で1万5,000円との案内でした。

監修:株式会社ウィズモー(工務店の事業促進・社内改善支援)

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