建設業の人手不足は申請業務の外注で解決?相場半額の代行を紹介
結論:建設業の人手不足は、申請業務を外に出すと一番早く軽くなる
「小倉和の工務店支援チャンネル」の今回の動画は、ウィズモーがパートナーとして協業している申請代行会社・ジョーアブロード様を訪ねた対談回です。テーマは、建設業の人手不足のなかでも見落とされやすい「プラン確定から着工までの業務」をどう回すか。小倉は冒頭で、社内で手が回らない審査・申請業務の代行、長期優良住宅の申請、確認申請、構造計算、2024年から義務化されたBIM関連のサービスまで、いずれも相場の約40〜60%の価格でスピーディに対応できると紹介しています。
動画で語られた内容を、先に表で整理します。いずれも動画内で語られた数字であり、条件によって差が出ると前置きされている点にご注意ください。
| 項目 | 動画で語られた内容 |
|---|---|
| 価格 | 相場より30〜50%安く、総額で半額程度になったケースもあると語られています |
| 具体例 | 長期優良住宅・省エネ計算・許容応力度計算・確認申請の一式で30万円弱。設計事務所に依頼すると60〜70万円ほどではないかという話 |
| 対応範囲 | プラン確定から着工までの業務(省エネ計算・構造計算・確認申請・実施設計・電気図・給排水図・パースなど) |
| 一番の評判 | 価格ではなくリードタイム改善。プラン確定から着工まで120日かかっていた状態を60日にする業務整理 |
| 向く規模 | 30棟前後〜50棟未満、設計担当が2〜3名程度の会社 |
| 制約 | すべてWeb申請のため、紙で申請したい会社には対応できない |
| 体制 | 累計200社弱の申請業務、CADセンターはベトナム・フィリピン・ネパールの3拠点、社員は40名ほど |
人手不足と聞くと、どうしても職人採用や現場監督の求人の話になりがちです。しかしこの動画が扱っているのは、その一歩手前にある設計・申請の工程です。ここは「人を増やさずに外へ出せる」領域であり、しかも2025年以降は確実に業務量が増えていく領域でもある、というのが対談を通じた一本の筋になっています。
なぜ「プラン確定から着工まで」が手薄になるのか
動画では、同社の代表が前職で住宅・不動産業界のコンサルティングに10年ほど携わっていた経験から、この事業を立ち上げた経緯が語られています。曰く、集客・マーケティング・営業・プラン契約までを支援する会社は多く、着工してからの現場改善を支援する会社も多い。ところが「プラン確定から着工するまでの業務を整理できる会社はほとんどいない」ことに気づいた、という話です。
地域工務店の内情として挙げられたのは、次のような構造でした。人が入ってこない、入っても辞めてしまう。それでもどうしても営業側に人材を厚く配置したい。結果として、プラン確定から着工までの工程にはお金をかけにくく、かけたくてもいい人材を採るのが難しい。そこへ2024年からの時間外労働規制が重なります。
さらに動画では、2025年からの省エネ基準適合義務化と、いわゆる4号特例の見直し(動画内では「4号特例の廃止」と表現されています)に触れ、省エネ計算が必須になり、これまで構造関係の図書添付が不要だった確認申請でも作業が増えると説明されています。小倉との会話でも「人もいないのに仕事量が増える」という言い方で、この二重苦が整理されていました。人手不足の話が採用だけで終わらない理由がここにあります。
なお、同社代表の経歴として、18歳でプロボクシングのプロテストに合格し19歳でデビュー、30歳まで現役を続けながら25歳で大学に入り、その後8年間建設系コンサルティング会社に勤め、38歳で独立して4年ほど、というエピソードも語られています。小倉が「一貫性がない」と笑う場面もありますが、人材不足を外国人人材の視点から見ていた経験が、海外CADセンターという解き方につながっている、という流れになっています。
代行の範囲は「プランが決まってから工事が始まるまで」ほぼ全部
具体的にどこまで任せられるのか。動画では分野を3つに整理した上で、周辺業務まで含めて説明されています。
| 分野 | 動画で挙げられた業務 |
|---|---|
| 省エネ・認定関係 | 省エネ計算、ZEH、BELS、長期優良住宅などの認定申請 |
| 構造関係 | 許容応力度計算、壁量計算 |
| 申請関係 | 確認申請 |
| 設計図書 | 基本設計、実施設計、電気図、給排水図 |
| 提案用図面 | パース作成 |
お客様が契約の意思を示し、プランを出して見せ方を工夫し、間取りが固まる。そこから先の申請業務、そして実施設計までを「一旦全部できますよ」という説明がなされています。つまり単発の計算代行ではなく、工程の一区間をまとめて受け持つ発想です。小倉も「めちゃくちゃ助かる」と反応しており、ここが従来の設計外注との違いとして語られていました。
経営者目線で言い換えると、この区間は「人を1人雇うには棟数が足りないが、放っておくと確実に詰まる」工程です。工程ごとにバラバラの外注先へ出すと管理コストが増えますが、区間でまとめて出せるなら、社内に残すべき仕事は「お客様と向き合う設計・デザイン」に絞れます。
価格は相場の30〜50%オフ。動画で出た具体例は「一式30万円弱」
価格について小倉が具体的に聞いた場面では、次のような金額が語られました。繰り返しになりますが、これは動画内で語られた目安であり、案件条件によって差が出ると明確に前置きされています。
| 依頼内容 | 一般的な依頼先 | 動画で語られた同社の価格 |
|---|---|---|
| 長期優良住宅+省エネ計算+許容応力度計算+確認申請の一式 | 設計事務所に依頼すると60〜70万円程度ではないか | 30万円弱 |
安くできる理由として挙げられているのは、ベトナムを中心にネパール・フィリピンの3拠点に自社CADセンターを持っていることです。総額で30〜50%、ケースによっては半額程度になると語られています。小倉が「逆にデメリットはあるのか」と踏み込むと、返ってきたのは「すべてWebで行っているため、紙で申請したいという会社には対応できない」という一点だけでした。
価格の話で一つ補っておくと、工務店側にとっての意味は単価の安さそのものではありません。動画では「人を1人雇うには棟数がまだ足りない」会社にとって、変動費扱いで外注したほうがリスク分担ができるという説明がされています。固定費として設計担当を抱えるか、棟数に連動する変動費にするか。この選択の話として聞くと、金額の意味が変わってきます。
一番の評判は価格ではなく「リードタイム120日→60日」
動画の中で最も実務的に重い部分がここでした。同社の特徴を尋ねられた際、価格に続いて挙げられたのが「リードタイム改善」で、「皆さんから実は一番ここが評判」と語られています。
語られた内容はこうです。着工前の業務整理を一緒に行う。たとえば許容応力度計算をして長期優良住宅の申請をする場合、プラン確定から着工までに120日かかってしまっている工務店が非常に多いのではないか。そこを「プラン確定から60日で着工しましょう」という形に組み替えていく。小倉が「半分ですか」と驚く場面がそのまま入っています。
これに対して小倉は、自身のクライアントでも一緒に入ってもらってリードタイム改善を行っていると述べ、「工務店、特に新築・注文住宅はリードタイムが長い。会社を経営で考えると結構リスクが高い」と話しています。いかにリードタイムを短くするかが大事であり、その部分までコンサルティングしてくれるのは他の申請代行ではなかなかできないところだ、という整理です。
リードタイムが経営に効く理屈は単純です。契約から着工までが長いほど、入金までの期間が伸びて資金が寝る。期中に計上できる棟数が減る。その間に資材価格や金利の前提が動き、お客様の気持ちも揺れる。棟数を増やさずに同じ年商を作るのではなく、同じ棟数でも回転を速くして利益を残す、という発想です。動画の後半でも「もっとリードタイムを短くして会社に利益を残したい」という会社に向いている、とまとめられていました。
向いている会社・慎重に検討したい会社
どんな工務店におすすめかという質問に対して、動画では規模と状況の両面から答えが示されています。
| 区分 | 動画で語られた条件 |
|---|---|
| 向いている | 年間30棟前後〜50棟未満、設計担当が2〜3名。退職者が出た。人を1人雇うには棟数が足りない。設計・デザイナーにはデザイン業務へ集中してもらいたい。申請はコストをかけずに外へ出したい。高額で頼みづらいので安いところを探している。リードタイムを短縮して利益を残したい。2024年の残業規制の問題を解決したい |
| 慎重に検討 | 紙での申請にこだわりがある会社(Web申請のみのため対応不可)。大手で独自のスキームが既に整っている会社(自社内で完結しているケースが多いと語られています) |
小倉が「言葉の壁はどうなのか、日本語は通じるのか」と率直に聞いた場面では、スタッフに日本の大学を卒業したメンバーが多く、日本企業での実務経験者や日本の資格保有者もいて、ネパールやベトナムに戻って活動していると説明されています。加えて、通訳兼技術者である「ブリッジエンジニア」と呼ばれる日本語対応メンバーが15名ほどおり、やり取りはチャットツールと、必要に応じたWeb会議で毎日動いているとのことでした。
明日からやること
外注先を探す前に、自社の数字を出すほうが先です。動画の内容を実務の順番に落とすと、こうなります。
- 直近3棟のリードタイムを実測する。プラン確定日と着工日をカレンダーで並べ、実日数を出す。感覚ではなく日数で見ると、120日に近い会社は珍しくありません。
- その期間の内訳を書き出す。省エネ計算、構造計算、確認申請、実施設計、電気・給排水図のそれぞれを、誰が何時間かけているか。待ち時間と作業時間を分けて書くのが肝心です。
- 固定費と変動費で比べる。設計担当1名の人件費と、外注単価×年間棟数を並べる。棟数が読めない会社ほど、変動費化の意味が大きくなります。
- 2025年以降に増える業務の担い手を決める。省エネ計算と確認申請の構造関係図書を、社内の誰が持つのか。空席のままにしておくと、繁忙期にリードタイムとして跳ね返ります。
- 1棟だけ試す。全棟を切り替える必要はありません。条件が標準的な1棟で、見積・やり取りの手間・仕上がりを確認するのが現実的です。
よくある質問
申請を外注すると、社内に設計のノウハウが残らないのではないですか
動画では、設計・デザイナーにはデザイン業務に集中してもらい、申請はコストをかけずに外へ出したいという会社に向いていると語られています。つまり設計力そのものを手放す話ではなく、計算・申請という定型業務と、お客様と向き合う提案業務を分ける話として説明されています。社内に残すべきものを決めるのが前提になります。
Web申請のみという制約は、実務上の問題になりませんか
動画で唯一のデメリットとして挙げられたのがこの点です。すべてWebで対応しているため、紙で申請したいという方針の会社には対応できないと説明されています。逆に言えば、それ以外の会社であれば問題にならないという整理で、小倉も「紙媒体で全部置いておきたいという工務店さん以外は大丈夫ということですね」と確認しています。自社の申請手続きがWebに対応済みかどうかを先に確認しておくとよいでしょう。
30棟に届かない規模でも相談できますか
動画では、現在の依頼で最も多いのは30棟前後の工務店であり、おすすめは30棟から50棟未満程度と語られています。一方で、依頼実績としては10棟前後の会社から戦闘クラス(相当な棟数規模)の会社まであり、それぞれの課題に合わせてサポートしているという説明もありました。規模だけで判断せず、自社のリードタイムと設計の人員配置から考えるのが実務的です。
まとめ
今回の動画は、価格の安さを売りにした代行紹介というより、「プラン確定から着工までという工程が、地域工務店の経営上いちばん手薄になっている」という問題提起の回でした。相場の30〜50%オフ、一式30万円弱という数字はわかりやすい入口ですが、小倉が繰り返し強調していたのはリードタイムです。120日を60日にできれば、棟数を増やさずに回転と利益が変わります。人を採れない時期に打てる手として、採用以外の選択肢を一度数字で確認してみる価値はあります。
続きや実際のやり取りは動画でご覧ください: YouTubeで動画を見る
なお、申請やCADと同じ発想で社内業務を外へ出すなら、工務店×AIの実務は、AI業務代行『マルオくんAI』(株式会社ウィズモー提携)に丸投げできます。
監修:株式会社ウィズモー(工務店の事業促進・社内改善支援)
