工務店のメルマガをAIで毎月出す5手順

メルマガが止まる理由は「文才」ではなく「最初の一行」

工務店のメルマガをAIで毎月出す5手順 の要点

過去のお客様や見込み客に、月に一度のご挨拶を届ける。メルマガやニュースレターが有効なのは、多くの社長がご存じのはずです。それでも三号で止まってしまう。理由はほぼひとつで、白い画面を前にして「何から書けばいいかわからない」まま三十分が過ぎ、現場から電話が鳴って終わる。文章力の問題ではなく、書き出しにたどり着けない問題です。

ここがAIの得意分野です。AIは、ゼロから素晴らしい記事を生み出す魔法ではありません。しかし「材料を渡すと、とりあえずの下書きを一分で出す」ことは確実にできます。真っ白な紙を、赤ペンを入れられる状態にする。それだけで、止まっていた月刊が動き出します。

手順1:ネタは探さない、拾う

ネタ出しに悩む必要はありません。この一ヶ月に現場やお客様との間で起きたことを、箇条書きで五つ、スマホのメモに書くだけです。

  • 「断熱の相談が三件続いた」
  • 「築十五年のお客様から雨樋の詰まりで連絡」
  • 「見学会で子育て世代の質問が多かった」
  • 「職人さんが夏場の現場養生を工夫していた」
  • 「補助金の相談を受けたが説明に苦労した」

完璧な文章である必要はまったくありません。むしろ雑なほうがいい。ここが、AIに渡す「材料」になります。

プロンプト例(ネタ出し)

あなたは地域工務店のニュースレター編集者です。以下は今月現場で起きたことのメモです。この中から、OB客(過去に家を建てたお客様)が読んで役に立つと感じるテーマを3つ選び、それぞれ「読者にとっての得」を一行で説明してください。
【メモ】
・断熱の相談が三件続いた
・築十五年のお客様から雨樋の詰まりで連絡
(以下、書いたメモを貼る)

ポイントは「読者にとっての得」を必ず言わせることです。ここを指定しないと、AIは会社目線の宣伝文を書きたがります。

手順2:下書きは「あなたの言葉の型」を教えてから頼む

テーマが決まったら本文です。ここで多くの方が「メルマガを書いて」とだけ入力し、出てきた他人行儀な文章にがっかりします。足りないのは条件です。

プロンプト例(本文の下書き)

地域工務店のOB客向けニュースレターの記事を書いてください。
【テーマ】築15年前後の家の雨樋詰まり、秋前の点検のすすめ
【読者】当社で家を建てて10〜20年経つご家族。建築の専門知識はない
【文字数】600字程度
【文体】専門用語を使わない。ですます調。売り込みをしない。近所の職人が世間話をするような親しみのある調子
【構成】(1)最近こんな連絡が増えている (2)放っておくとどうなるか (3)ご自宅でできる簡単な確認方法 (4)不安なら気軽に連絡ください
【禁止】大げさな不安を煽る表現、断定的な効果の保証

読者・文字数・文体・構成・禁止事項。この五点を指定するだけで、出力の質は目に見えて変わります。一度うまくいったプロンプトは、メモ帳に保存して毎月使い回してください。これが自社の「型」になります。

Before / After:実際にどう変わるか

Before(条件なしで頼んだ場合)

秋は住宅メンテナンスの重要な季節です。雨樋の詰まりは建物の耐久性に深刻な影響を及ぼす可能性があります。弊社では豊富な実績と確かな技術で、皆様の大切な住まいをトータルサポートいたします。ぜひお気軽にご相談ください。

間違ってはいませんが、誰が書いても同じ文章です。読者は三行で離脱します。

After(条件を指定した場合)

この一ヶ月、雨樋のご相談が続けて三件ありました。いずれも築十五年前後のお宅です。落ち葉が溜まって水があふれ、外壁を伝ってしまう。すぐ家が傷むわけではありませんが、放っておくと外壁の汚れやシミの原因になります。晴れた日に、二階の窓から雨樋を覗いてみてください。土や葉が見えたら一度ご連絡を。高所は危ないので、無理な掃除はなさらないでくださいね。

後者は、社長が少し手を入れれば「自社の手紙」になります。AIの仕事は、ここまで持ってくることです。

手順3〜5:件名・チェック・仕組み化

手順3:件名は10案出させて選ぶ

メルマガは件名で開封が決まります。「上の本文に対して、開封したくなる件名を10案。煽り表現は使わず、具体的な内容がわかるもの」と指示し、その中から社長が一つ選ぶ。ゼロから考えるより十倍速く、質も安定します。

手順4:出た原稿は必ず声に出して読む

AIの原稿は、黙読すると自然でも、音読すると引っかかる箇所が出ます。そこが自社の言葉になっていない部分です。三分で終わります。

手順5:出す日を決めてしまう

「余裕ができたら書く」では永遠に出ません。毎月第一火曜の朝、と決めてカレンダーに入れる。AIを使えば準備は一時間ほどに収まりますから、月一回なら続けられます。

正直に書きます:AIに任せてはいけないこと

信頼を守るために、限界もはっきりお伝えします。

  • 数字・法令・補助金は必ず自分で確認する。 AIは事実と異なる内容を、もっともらしい文体で書きます。補助金の金額や申請期限、法改正の内容は、必ず公式サイトの一次情報で裏を取ってください。ここを怠ると、信用を積むはずのメルマガが信用を減らします。
  • お客様の個人情報や工事金額を入力しない。 氏名・住所・図面・見積書などは、AIに貼り付けないのが基本です。事例を書くなら「築十五年のお客様」のように、個人が特定されない形に置き換えてから渡します。
  • お客様の許可なく事例を書かない。 AI以前の話ですが、写真や施工事例の掲載には必ず事前の同意を取ってください。
  • 感情の部分は、AIには書けない。 引き渡しの日の気持ち、職人さんへの感謝、地域への思い。ここは社長ご自身の言葉が一番強い。AIに書かせた文章がなぜか薄っぺらく感じるのは、この部分が抜けているからです。AIに事実を整理させ、感情は自分で足す。この役割分担が現実的です。

まとめ:完璧な一号より、続く十二号

メルマガやニュースレターの価値は、一号の完成度ではなく、忘れられないことにあります。十年前のお客様が、リフォームを考えたときにふと思い出す。その積み重ねが仕事につながります。

まずは今月、A4一枚から。現場のメモを五行書いて、AIに下書きさせて、赤ペンを入れて出す。それだけで、止まっていたものが動き出します。なお、こうした工務店×AIの実務は、AI業務代行「マルオくんAI」(株式会社ウィズモー提携)に丸投げできます。

監修:株式会社ウィズモー(工務店の事業促進・社内改善支援)

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