住宅営業のコツはクレーム対応|顧客をファンに変える4ステップ
結論:住宅営業のコツは「クレーム対応」にこそ表れる
工務店を経営していて、現場クレームほど胃が痛む出来事はそうありません。しかし動画「【工務店クレーム】お客様がファンになる裏技」で小倉は、冒頭から「クレームはただの引け目。そう思っていたら本当に損をする」「クレーム対応は最大の信頼獲得のチャンスだ」と話しています。
理由はシンプルです。お客様はトラブルが起きたときの対応を見て、その会社が信頼できるかどうかを判断しているから。動画ではそう語られています。契約前のプレゼンや完成見学会よりも、問題が起きた瞬間の身の処し方のほうが、お客様の記憶には深く残る。つまり住宅営業のコツは、きれいな提案力そのものよりも「崩れたときの立て直し方」に宿るという整理です。
動画で示されたクレーム対応の型は、次の4ステップに集約されます。
| ステップ | やること | 狙い |
|---|---|---|
| ①クレームを100%受容する | 反論せず、まず全面的に謝罪する | 怒りのピークを下げ、話し合いの土台をつくる |
| ②自責を強調する | 原因・経過・結果を整理し、自分たちの責任として認める | 「この人たちは敵ではない」と感じてもらう |
| ③お客様への思いを語る | 事実説明から感情のコミュニケーションへ切り替える | 熱意が伝わり、味方意識が生まれる |
| ④協力関係へ誘導する | 「どうすれば100点満点の家づくりになるか」を一緒に考える | 紹介・リピートにつながるファン化 |
この4つを押さえられれば、必要以上にクレームに怯えなくて済むだけでなく、社内にノウハウが共有され、同じクレームを繰り返さない仕組みづくりにもつながると述べられています。
なぜ現場クレームは会社ごと揺らすのか
動画ではまず「現場クレームのリアル」として、工務店で実際によく起きるパターンが挙げられています。
- 営業担当が言っていたことと実際が違う
- 現場が汚れていて、資材や材料がその辺に雑に積まれている
- 大工や現場監督の経験が浅く、コミュニケーションミスからトラブルになる
- 下請け業者の仕事が雑で「こんな仕上がりはありえない」と言われる
- 天候や材料の遅延で現場が止まり、不安や不満をぶつけられる
- 説明が漏れていて「そんな話は聞いていない」と怒られる
パターンは違っても、対応をミスしたときに生まれるマイナスは共通していると小倉は話します。動画では次の3つに整理されていました。
| マイナス | 具体的に起きること |
|---|---|
| ①金銭的な損失 | 「言っていたことと違うから値引きしてほしい」「御社のミスなのでこの費用は払わない」「納期に間に合わなかったので仮住まいの家賃を保証してほしい」といった要求につながる |
| ②精神的な負荷 | 大きなクレームが起きると、社員が「会社に行きたくない」というほどのストレスを抱える。目に見えないところでジャブを食らい続けている状態だと表現されています |
| ③ブランドイメージの低下 | もっとも影響が大きいと語られる項目。お客様は会社にとって最大のスピーカーであり、良い評価以上に悪い評価のほうが広まりやすい。ママ友や同僚、SNSで「あそこはやめたほうがいい」と伝わり、受注が取れなくなれば経営そのものが傾く |
さらに厄介なのが、こちらは誠意を持って対応しているつもりでも、顧客側はすでに「もう信用できない」と感じているケースだと指摘されています。お客様は事実よりも印象でこちらを判断しているため、どれだけ誠意を尽くしても「冷たい対応だった」と思われたら一発アウト。住宅は工事期間が非常に長いからこそ、一度でも「対応が悪い」と思われると信頼は一気に失われる、という説明です。初動の遅れや対応の誤りは、火に油を注ぐことになると語られています。
クレーム対応の着地点は3パターンしかない
動画では、クレーム対応の結果は大きく3パターンに分かれると整理されています。
| 着地点 | 状態 |
|---|---|
| ①信頼を失い、関係が終了する | 最悪のケース。金銭的損失に加え、悪評が広がるリスクを抱える |
| ②誠意が伝わり、関係値が元に戻る | マイナスは消えるが、あくまで原状回復で終わる |
| ③信頼度が上がり、ファンになってもらう | 動画で一番伝えたいとされるゴール。紹介・リピートの起点になる |
「どうせクレーム対応をするなら、信頼されてファンになってもらうのが一番ではないか」。小倉はそう問いかけ、③を狙うための具体的な手順として先の4ステップを解説していきます。
クレームを信頼に変える4ステップの中身
①まずは100%受け入れて謝る
この「100%」が肝だと強調されています。理不尽に感じる内容でも、自社の責任ではないと思える内容でも、その場で反論すれば衝突が始まる。クレーム時はお客様の怒りがピークに達しているため、ここで言い争いになると沸点がさらに上がり、収拾がつかなくなると説明されます。
一方、謝罪には相手の怒りを少し収める効果がある。トーンダウンしてもらって、ようやく話し合いの土台ができる、というイメージです。注意点として、謝罪しない・否定するはNG。「自分たちの怒りが伝わっていない」という印象を与えてしまうため、クレームを受けたらまず謝るを鉄則にすることが挙げられています。
②自責で語り、主導権を取り戻す
次のステップは、なぜこのトラブルが起こったのか、その要因は何で、結果としてどうなったのかを整理して伝えること。このとき原因を相手や業者のせいにせず、自責で捉えるのが大事だと語られています。
自責を強調すると、「ただ謝っているだけでなく、自分たちの責任として受け止めて対応してくれている」という印象が生まれ、親近感や共感につながる。少しでも否定が混じれば敵対関係になってしまうため、まずは相手側に立って寄り添う。そして「ここの管理が徹底されていなかったから、こうなった。だからこそ、こうしたい」と続けられるため、自責を語ることが次の対応の主導権を握ることにつながるという点も指摘されています。
③お客様への思いを語り、感情のコミュニケーションに変える
動画で「ここからが一番大事」とされるステップです。ポイントは、事実ベースのやり取りから感情のコミュニケーションへ切り替えること。
「何時何分に誰がどうしたか」「それは台風の影響でできなかった」といった事実だけを並べると、言い争いになってしまう。そうではなく、家を建てることが目的ではなく、打ち合わせで共有したお家づくりの思いがあり、お父さん・お母さん・子どもたち・地域にとってどんな家にしたいのか、その大前提をあらためて伝える。思いがずれているのではと感じるとお客様は不安になるからだと説明されています。
そのうえで、いま自分がこの場に来ているのは「会社として対応しているから」ではなく「○○さんのためだから」だと伝える。これが熱意として伝わります。ただし熱意だけでは結果は変わらないため、完成に向けてすぐに何を手配し、どう動くのかという具体策までセットで話すことが条件とされています。会社としてではなく、1対1で私とあなただからやっていると伝える。これによって不信感が逆転し、一緒に家づくりを成功させる味方意識が生まれるという流れです。
④協力関係へ誘導し、お客様の右腕になる
最後は協力関係への誘導です。もともとクレームの場は、お客様と営業担当が対立関係になりやすい。しかし謝って、非を認めて、対応策を示して、あなたのためにやっていると伝えきると、「どうすればこの家づくりが100点満点になるか」を一緒に考える関係に変わると語られています。
ここまで持っていけたら、あとは行動の積み上げ。マメな報告、二度と起こさないための対策の共有、これまで以上に密な連絡。「業者さんはこう言っていますが、私としては○○さんのためにこう動きたいのですが、よろしいですか」といった形で、お客様の右腕として動く。そうすると、クレームがきっかけで営業担当や会社のファンになってもらえる。結果として「問題は起きたけれど、対応が素晴らしくて最後まで伴走してくれた工務店だ」という口コミが広がり、紹介とその後の受注の安定につながる、という結論です。
明日からやること
動画の内容を、自社でそのまま回せる形に落とすと次の通りです。
- 初動のルールを一枚にする:クレーム連絡を受けたら「否定しない・まず謝る」を全社の鉄則として明文化する
- 自責で語る原因整理のフォーマットをつくる:要因/経過/結果/自社の責任/対策の5項目を、訪問前に埋めてから出向く
- 打ち合わせで聞いた「思い」を記録に残す:ご家族それぞれの希望や背景をメモしておき、トラブル時に立ち返れるようにする
- 訪問時は必ず対応策まで持っていく:熱意と手配内容をセットで伝える
- 収束後の報告頻度を上げる:再発防止策と進捗を、こちらから先に連絡する運用にする
- 社内で事例を共有する:発生原因と対応内容を記録し、同じクレームを繰り返さない仕組みに変える
よくある質問
自社の責任ではないクレームでも、まず謝るべきなのでしょうか
動画では、自分たちのせいではないと分かっていても、ステップ1としてはまず100%受け入れて謝罪することが大事だと語られています。怒りがピークのタイミングで反論すれば衝突が始まり、収拾がつかなくなるためです。責任範囲の整理は、話し合いの土台ができてからの話という順序立てになっています。
下請け業者の施工が原因のときは、どう伝えればいいですか
動画では、原因を相手や業者のせいにせず、まずは自責で捉えることが重要だとされています。「管理が徹底されていなかったから、この問題が起きた」と自社の責任として認めることで、お客様に共感が生まれ、同時にその後の対応の主導権も握れるという説明です。業者側とのやり取りについても、「業者さんはこう言っていますが、私としてはこう動きたい」とお客様側に立って共有する形が紹介されています。
クレーム対応が担当者まかせになってしまいます
動画では、4ステップを押さえることで社内にノウハウが共有され、同じようなクレームを繰り返さない仕組みづくりにもつながると述べられています。精神的な負荷が大きく、社員が「会社に行きたくない」と感じるほどのストレスになり得る領域だからこそ、個人の力量ではなく会社の型として持つべき、という位置づけです。
まとめ
クレームは、工務店にとって金銭・メンタル・評判の三方向にダメージを与えかねない出来事です。ただし動画で語られているのは、同じ出来事が「関係終了」にも「ファン化」にも分岐するということ。分岐点になるのは、①100%受容して謝る、②自責を強調して思いを伝える、③お客様への思いを語る、④協力関係へ誘導する、というたった4つの順序でした。
続きや実際のやり取りは動画でご覧ください: YouTubeで動画を見る
なお、クレーム記録の整理や再発防止の社内共有といった手間のかかる部分については、工務店×AIの実務は、AI業務代行『マルオくんAI』(株式会社ウィズモー提携)に丸投げできます。
監修:株式会社ウィズモー(工務店の事業促進・社内改善支援)
