工務店経営は組織構築で変わる|SNS集客が強い会社への支援内容

結論:工務店経営の伸びは「SNS集客の次」にある組織構築で決まる

今回の動画は、小倉が2025年1月から実際に支援に入っている工務店の代表との対談です。この会社はSNSからの反響・集客が非常に強い状態にあり、それにもかかわらず5ヶ月の支援内容は広告や営業テクニックではなく、ほぼすべてが「社内の整え」に充てられました。

そして動画の中では、支援前と比べて最高月商が「2倍ほどになった」、さらに「その月のペースで計算するとちょうど10億円くらいになる」と語られています。いずれも動画内で語られた数字であり、4月は完工(引き渡し)が多い月だったという前提も同時に話されています。小倉自身も「自分が直接的に売上をつくったかどうかは分からない」と断りを入れており、因果を断定していません。

では何が変わったのか。動画を通して見えてくる構造は、次の3点に整理できます。

  • 集客が増えると、まず限界を迎えるのは「社内の処理能力」である
  • 社長がSNS発信や案件づくりに集中できるかどうかは、社内の仕組みが決めている
  • 「緊急ではないが重要なこと」は、外部の強制力がないとタスクに落ちない

工務店 経営でいちばん詰まる場所:受注は増えているのに社内が追いつかない

動画の前半で、小倉は支援前にこの会社が抱えていた悩みを読み上げています。SNSが強い会社の悩みとして、きわめて典型的な並びです。

支援前に挙がっていた悩み 何が起きている状態か
案件を進めるスピードが担当によってばらつく 進め方が個人の経験に依存している
提案不足による損害が目立つ 確認漏れが利益の取りこぼしになっている
SNS集客が増える中での受注後の苦労 入口は強いが、処理と管理が追いつかない
業務フローやルールづくりが未整備 毎回その場で判断している
社員の業務・進捗の見える化ができていない 社長が「誰が何をどこまでやったか」を把握できない
責任範囲や役割が曖昧 決めてよい人が決めていない
3年後の目標・ロードマップがない 日々の判断に基準がない
部長の自立・自走が進まない 社長が止まると全部止まる

注目したいのは、この一覧に「集客を増やしたい」という項目がひとつもないことです。小倉は動画内で、自身の支援は新築を手がける工務店のSNSマーケティングや営業支援が多いものの、この会社については「本当に中の整えをコツコツやっている」と話しています。入口が強い会社ほど、やるべきことは社内側に移ります。

5ヶ月で納品された中身:ルール・会議・権限の3点セット

支援期間は2025年1月から5月までの約5ヶ月。形式は「毎月1回の訪問」と「隔週1回のオンラインミーティング」だと語られています。その中で納品された成果物は、動画内で次のように紹介されています。

区分 つくったもの 狙い
ルールづくり 朝礼・日報制度の導入/基本ルールと理念の決定・浸透 業務進捗の把握と、社員の状況・モチベーションの可視化
会議設計 バリューアップ会議の新設 動いている案件の進捗、原価改善・利益改善、社員とのコミュニケーション
会議設計 月末幹部会 事業計画の進捗、月の目標、翌月のアクションを見える状態にする
現場ルール 写真の撮影ルール/遠隔時の外注先の管理ルール 品質とSNS素材の標準化、社外パートナーにも使える基準づくり
権限設計 業務責任範囲・担当範囲・意思決定フロー 金額や条件面をどこまで誰が決めてよいかの線引き
運用ルール 面談ルール/引き継ぎルール 人の入れ替わりや成長に業務が引きずられない状態にする

中でも満足度が高いものとして挙げられていたのが「バリューアップ会議」です。これは、その名の通り会社のバリュー(価値)を上げることだけに時間を使う会議だと説明されています。いま困っている現場で起きそうな問題を先に潰す、もっと良くするためにできることを考える、という使い方で、動画内では、現場の話をしているうちに「その現場をSNSで追いかけよう」「カメラマンに撮影してもらってアカウントも作ろう」といった案が生まれたエピソードも語られています。小倉はこの会議について、あらかじめ型があったのではなく、支援先の社長や社員と話し合う中でできあがったものだと話しています。

写真の撮影ルールについても、代表から「社内で使えるものは社外でも使える」という趣旨の話が出ています。反響が増えるほど現場数が増え、関わるパートナーも増える。その時に効くのは個人の頑張りではなく、誰が撮っても同じ水準になるルールです。

「やらなくても明日は来る」——自社だけで組織が変わらない理由

この動画でいちばん鋭いのは、小倉が「サポートが入る前は、やろうと決めても形にならなかったのはなぜか」と踏み込んで聞いた場面です。代表からは、外部からのチェックがないので「正直、やらなくても明日は来る」という言葉が返ってきます。小倉がその場で「名言ですね」と返しているほど、本質を突いた一言です。

続けて語られていたのが、「緊急ではないけれど重要なこと」はタスクに落ちにくい、という指摘でした。大事だとどこかで思っているのに、期日が打てない、いつまでにやるかを決め切れない。それが抜け落ちていた原因だったと振り返られています。

逆に、支援が入ってからは次の2つが効いたと語られています。

  • 連絡がすぐ取れる状態:相談先がある安心感
  • 強制的な振り返り:月1回の訪問時に100%振り返るため、社長も社員も気が引き締まる

もう一点、経営者なら身に覚えがあるはずの話も出ています。代表は、経営者が集まる勉強の場には「めちゃくちゃ行っている」と話しつつ、そこで学べるのは「あり方」「組織の作り方」といった話が多くなりがちだと語ります。学んだ後に、ではどのやり方を自社でどう実行するのか——そこは専門でやっている人に頼むべきだと考えた、という流れです。小倉も「研修に行って良いことを学んでも、会社に持ち帰ると形にならない」ケースはある、と応じています。

そして実行段階で効いたのが優先順位です。やらなければいけないことが10個20個ある中で、受注がたくさん来ているなら受注を考えるより先に業務フローを整える——そうした順番を決めて進めたことが、現時点で前に進んでいる要因だと語られています。

社員と社長に起きた変化と、向いている会社の規模

変化として挙げられていたのは、数字より先に「時間の使い方」でした。

誰に 動画で語られた変化
社員 目の前の業務だけだった状態から、緊急ではないが重要な仕事に手を回せるようになった
部長クラス 「どう作ればいいですか」と聞く前に、自分で考えて作り、出して評価をもらう動き方に変わった
社長 アイデアを誰がいつやるのかが明確になり、SNS発信や案件づくりに時間を使えるようになった
社内の空気 成果物が増えるにつれ「進んでいる感」「整ってきている感」が出てきたという声が社員から上がった

副産物として、事務所がきれいになったという話も出ています。これは指示したものではないと小倉も断っていますが、社内が整うと空気のほうが先に変わる、という例として語られていました。

では、どんな会社に向くのか。代表からは「建設業は3人から5人の組織を超えていくところで問題を抱えている会社が多いのではないか」「その人数のときは年商1億円くらいだと思う」という見立てが語られています。そして、迷いどころとしてよくある「コンサルに社員1人分の給料を払うのは抵抗がある」という感覚について、よく考えると、合わない社員を間違って採ってしまうリスクと比べれば、前に進むことに時間を使ってもらえるほうがいい——という趣旨の話が出ています。小倉も「5人から10人くらいの会社で、事務員1人分くらいの費用を払うか迷っている会社におすすめ」とまとめています。

満足度は100点満点で90点と語られました。残りの10点について代表は、コンサルは結局こちら側が本気でやるかどうかで決まる、自分たちがもっとコミットできれば小倉をもっと活かせる、という意味だと説明しています。実際に「他社に比べて進みが遅い」と指摘された場面もあったことが、双方から語られていました。課題は月20個ほど出ており、支援自体はまだ途中で「今からスタートくらい」という言葉で動画は締められています。

明日からやること

支援を受けるかどうかは別として、動画で語られた仕組みのうち、自社だけで着手できるものは複数あります。

やること 最初の一歩 狙い
進捗の見える化 日報の項目を3つに絞って今週から開始する 社長が把握する時間を減らす
利益を上げる会議を1つ作る 月1回30分、現場の「起きそうな問題」だけを話す枠を取る 原価改善と手戻り防止
決裁範囲の明文化 金額の線引きを1行で決める(例:いくらまでは担当判断) 判断待ちの停滞をなくす
強制的な振り返り日を作る 毎月同じ日をカレンダーに固定し、他の予定を入れない 「やらなくても明日は来る」を断つ
優先順位を3つに絞る 課題を20個書き出し、今期やる3つに印をつける 全部やろうとして全部止まるのを防ぐ
写真・外注のルール化 撮影する枚数・角度・提出先をA4一枚にする 誰が撮っても同じ水準にする

よくある質問

SNSがまだ伸びていない会社でも、組織構築を先にやるべきですか

動画はSNSが強い会社の事例であり、順番の正解を示したものではありません。ただし語られているのは「受注がたくさん来ているなら、受注のことより先に業務フローを整える」という優先順位の考え方です。入口が弱い会社であれば、まず集客側に手を入れる判断もありえます。自社がいまどのフェーズか——事業の立ち上げ、立ち上がった後の組織づくり、整った組織での拡大——を見分けることが先だと、動画では整理されています。

外部に入ってもらわなければ、組織づくりはできないのでしょうか

小倉自身が動画内で「自分じゃなくてもできることはたくさんある」と話しています。差として挙げられていたのは、定期的に来てくれること、その場で一緒に作業して形にしてくれること、そして同規模の会社を伸ばした経験から「1億から5億」「5億から10億」で起きる人・物・金の問題を先に知っていること、の3点でした。自社だけでやる場合は、振り返り日の固定と期日設定を自分たちで強制できるかが分かれ目になります。

どのくらいの期間で変化が出ますか

この事例では2025年1月から5月の約5ヶ月で、ルール・会議・権限の成果物が納品され、社員の動き方の変化も語られています。ただし小倉も代表も「まだ途中」と繰り返しており、売上との因果は断定されていません。動画内で語られた月商の数字も、完工が多い月だったという条件つきです。期間を保証するものとしてではなく、5ヶ月で何がどこまで形になるかの目安として見るのが妥当です。

まとめ

SNSから集客が止まらない状態は、多くの工務店にとってゴールのように見えます。しかしこの動画が描いているのは、その先で必ず社内が詰まるという現実と、詰まりを解くのがルール・会議・権限という地味な3点であることです。「やらなくても明日は来る」仕事に期日を打てるかどうか。それが、同じ規模のまま留まる会社と、次の売上段階に進む会社を分けています。

続きや実際のやり取りは動画でご覧ください: YouTubeで動画を見る

なお、日報の集計やルールの文書化といった手を動かす部分で人が足りない場合、工務店×AIの実務は、AI業務代行「マルオくんAI」(株式会社ウィズモー提携)に丸投げできます。

監修:株式会社ウィズモー(工務店の事業促進・社内改善支援)

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