工務店の利益率は会議で決まる|現場監督の悩みを仕組みで解決
結論:工務店の利益率を削っているのは「現場」ではなく「会議の質」
今回の動画は、小倉が伴走支援に入っている工務店の工事部にお邪魔した対談企画です。沖縄県で年間70棟程度のコンクリート住宅を提供し、約2年先まで受注が確定している会社の工事部で、どんな課題があり、何をどう変えたのかが、工事部の課長ご本人の言葉で語られています。
先に結論を置きます。工務店の利益率を上げたいとき、多くの経営者は積算の精度や値引きの抑制に目を向けますが、動画で語られているのはもっと手前の話です。工事部の会議がどう設計されているかで、利益も、クレームの数も、人の育ち方も変わる。会議は「やるかやらないか」ではなく「設計されているかどうか」で差がつく、という整理になっています。
動画のなかで小倉が印象的に話しているのが、会議に対する社員の感情の変化です。会議は本来、誰も行きたくない時間である。それが「出れば出るほど自分のスキルが上がり、自分の担当案件の満足度が上がる」時間に変わりつつある、と語られています。同じ1時間が、上司にネチネチ言われる時間なのか、自分の案件が前に進む時間なのか。この差が、半年後のチーム力の差になるという考え方です。
背景:年間50〜100棟規模の工務店に共通する「3%のブレ」
支援に入る前の状況として、動画内では次の数字が語られています。いずれも動画内で語られた、この会社での実数です。
| 項目 | 動画内で語られた内容 |
|---|---|
| 施工棟数 | 年間70棟程度のコンクリート住宅 |
| 受注状況 | 約2年先まで受注が確定 |
| 工事部の人数 | 15名(全社は約50名規模) |
| 課題となった数字 | 契約時の利益と実行予算の間に3%以上のブレがある物件が発生 |
| その影響 | 逆算すると、年間で何棟かは「ただ働き」の状態になっていた |
注目したいのは、この会社が受注に困っていないという点です。2年先まで受注が埋まっているトップビルダークラスであっても、棟数と社員数が増えた分だけ、工事部の運用に無理が出る。課長は動画のなかで、工程表やマニュアルはある程度あったものの、会議や打ち合わせに明確なルールがなく「ただ集まって進捗報告を重ねるだけ」になっていたと振り返っています。棟数が伸びている会社ほど、この状態が利益を静かに削っていきます。
動画で語られた支援の中身①:会議を「報告の場」から「スキルが上がる場」へ
動画では、よくある工事会議の姿がこう描かれています。「先週のタスク、やった?」「これ抜けてない?」「なんでやってないんだ」「すみません、忘れてました」「じゃあ、なる早でやっといて」。発注したかしていないかの確認で時間が溶け、終わる。多くの工務店に心当たりがあるはずです。
これに対して小倉が挙げているのが、会議そのものを設計する考え方です。動画では、会議を有効活用するための要素として、期待する成果(アウトカム)/アジェンダとスケジュール/役割/ルールの4点が挙げられています。そのうえで、1つの会議あたり1案件にどれだけ時間をかけるかを先に決め、その時間内で次の4つを回す、という進め方が紹介されています。
- 共有:報告する内容を事前に決めておく
- 分析・問診:何が起きているのかを掘る
- 解決策づくり:対策を具体化する
- 意思決定:その場で決め切る
小倉は、これは才能ではなく「訓練すれば誰でも身につけられるスキル」だと話しています。実際に変わったこととして課長が挙げているのは、派手な成果ではなく当たり前のことでした。会議の日までに何をやるかがルールとして定まったため、欠席する場合も事前報告と事前準備が徹底されるようになり、遅刻が目に見えて減った。そして、やる人とやらない人が分かれていた凡事徹底が、意識づけによって全員に広がりつつある、と語られています。
動画で語られた支援の中身②:社内研修と伴走支援の違いは「PDCAを回し切れるか」
この会社では、もともと各課長が組み立てる社内研修を定期的に実施していました。それでも外部の支援を入れた理由について、課長はこう語っています。社内研修は各々の経験則と自社に合う形でつくるため、自分がやっている会議進行に無駄があるのかないのかが分からない。「分からないことが分からない」状態だった。また、研修が「こなして次に行く」形になり、そのあとの改善まで踏み込めていなかった、とも振り返っています。
小倉はこの点について、研修の目的から整理しています。工事のノウハウを伝えたい、営業を伝えたい——それ自体は良いことだが、研修は成果を出すために行うもの。現状に課題があり、理想の姿があり、そのギャップを埋めるために研修がある。にもかかわらず「1回研修をすればギャップが埋まる」と考えている会社が多い、というのが動画内での指摘です。
| 社内研修 | 外部が入る伴走支援 | |
|---|---|---|
| 設計 | 役職者の経験則が土台 | 社外の目線で現状を言語化 |
| 範囲 | 知識・技術の共有まで | 実行して出た課題の改善まで |
| 継続 | こなして次へ進みやすい | 課題が解決するまで伴走しPDCAを回し切る |
動画のなかで小倉は、外部支援の価値は内容の新しさではなく「やり切っていただき、やってみて出た課題をさらにブラッシュアップして一緒に作り上げるところ」にあると話しています。
動画で語られた支援の中身③:工事部が自分たちで掲げた6つのテーマ
この工事部では、支援のテーマとして6つを掲げていると語られています。
- 感動を生み続ける現場をつくる
- 一人ひとりが凡事徹底し、100点の現場を目指す
- 会議の時間を、常にレベルアップできる場として楽しむ
- そのための準備を徹底し、時間を最大限に有効活用し続ける
- トラブルを起こさないための8つのハードルを設定し、先回りで潰す
- この仕組みと循環に慣れ、半年後には強いチームになる
支援側が決めた目標ではなく、工事部長と3名の課長が「まずやってみよう」と判断して始めた取り組みである点も、動画のなかで語られています。社長が先に決めたのではなく、現場の役職者が選んだ。この順番は、同じ取り組みを自社に入れるときの参考になるはずです。背景として課長が挙げていたのは、今の役職者が次のポジションに上がったとき、やり方が均一化されていなければ後任がどう動けばいいか分からなくなるという危機感でした。
明日からやること
動画の内容を、自社で試せる形に落とすとこうなります。
- 直近10棟の「契約時利益」と「実行予算」を並べ、ブレ幅を出す。動画では3%以上のブレが問題になっていました。自社の幅を知らないままでは、どこを直すかも決まりません。
- 次回の工事会議に、1案件あたりの持ち時間を設定する。まずは時間を決めるだけでも、報告の密度が変わります。
- 会議のゴールを1行で書き出す。「進捗確認」ではなく「この会議で何を決め切るか」を先に書く。
- 共有→分析→解決策→意思決定の4ステップを議事の型にする。進捗報告だけで終わる会議をやめます。
- 欠席時のルールを決める。現場優先を否定せず、欠席なら事前報告と事前準備を必須にする。
- トラブルが起きる場面を洗い出し、先回りのチェックポイントにする。この会社の「8つのハードル」に当たる部分です。
よくある質問
工事部は現場優先です。会議に時間を使って本当に回るのでしょうか
動画のなかで小倉は、現場優先そのものを否定していません。問題は、会議が「みんな嫌な時間」になっているから後回しにされる点だと整理しています。会議に出るほど自分のスキルが上がり、担当案件の満足度が上がる設計になっていれば、優先順位は自然に変わるという考え方です。実際にこの会社では、遅刻が減ったことが最初の変化として挙げられています。
社内研修で同じことはできませんか
できる部分もありますが、動画で課長が語っているのは「自分の会議進行に無駄があるかどうかが自分では分からない」という限界でした。加えて、社内研修は実施で完結しやすく、実行後の改善まで続きにくい。この2点を外部の目線と伴走で埋める、という整理になっています。
どのくらいの規模の工務店に向く取り組みですか
動画では、年間50〜100棟程度を手がける工務店によくある課題だと語られています。課長自身も、規模の違いはあっても「人を取りまとめるところには絶対的な壁がある」とし、管理ができない、言うことを聞いてもらえないといった“あるある”への意識改革として、まずやってみる価値があると話しています。
まとめ
受注が2年先まで埋まっていても、契約と実行予算の3%のブレは利益を静かに持っていきます。そして、そのブレを生むのは現場の腕ではなく、情報が共有されず意思決定が先送りされる会議のつくりです。会議を「報告の場」から「出るほどスキルが上がる場」に変える。KPIを置き、毎週じりじり回す。動画で語られていたのは、特別な手法ではなく、この当たり前を回し切る話でした。
動画内では、他の支援事例や、初回接客のテンプレート・案件管理シートなどの無料プレゼントの案内も紹介されています。続きや実際のやり取りは動画でご覧ください: YouTubeで動画を見る
なお、議事録の整理や会議資料の下準備といった事務作業まで手が回らないという場合、工務店×AIの実務は、AI業務代行『マルオくんAI』(株式会社ウィズモー提携)に丸投げできます。
監修:株式会社ウィズモー(工務店の事業促進・社内改善支援)
