工務店の集客が止まる3つの理由と大手に勝つ逆転戦略
結論:工務店の集客は「正しい順番」と「意思決定」で決まる
今回の動画で小倉が繰り返し語っているのは、地域工務店が苦しんでいるのは努力が足りないからではない、ということです。足りていないのは「順番」と「意思決定」の設計だ、と話しています。
難しいテクニックも、高額な広告も、派手なブランディングも必要ない。まず避けるべき3つの間違いを避け、そのうえで逆転の3ステップを正しい順番で回す。これが動画全体の骨格です。要旨を先に整理すると次のようになります。
- 陥りがちな3つの間違い:大手の真似をする/紹介に依存する/社長が現場に出続けて経営を考える時間がない
- 逆転の3ステップ:この地域で何の1番になるかを決める/今のお客様が次のお客様を連れてくる仕組みを作る/思いと実例を発信して「安心」をつくる
- 最大の危険信号:「今じゃなくていいかな」という現状維持の思考
背景:いい家を建てているのに、なぜ問い合わせが減るのか
動画の冒頭、小倉は現場で受ける相談として「広告を出しても問い合わせが来ない」「昔は紹介で成り立っていたのに最近すごく減った」という声が多いと語っています。性能もスペックも間取りも申し分ないのに選ばれない——そういう地域工務店が少なくない、という問題提起です。
そのうえで小倉が「一番まずい状態」として挙げたのが、受注がうまくいっていないのに「なんとかなるだろう」と放置してしまっている状態でした。さらに厄介なのは、「やっていますよ」と答える会社に中身を聞くと、インスタを少し投稿している、リスティングを少し出している、という程度にとどまるケースだと指摘しています。動画の言葉を借りれば、それは「やっているに入らない」。やれていないのにやれているつもりでいるマインドこそが最大のリスクだ、という整理です。
動画内では、支援先の実例も語られています。SNS集客の問い合わせがゼロだった会社が、1ヶ月半の支援で反響9組、うち4組はお断りし、2組が決まりそうな状況になった。単価3,000万円のため、およそ2ヶ月で6,000万円の売上につながった、という数字です。ただしその会社が行ったのは、SNSへの160投稿だったと明かしています。いずれも動画内で語られた数字であり、同じ成果を保証するものではありませんが、「質も大事だが量も大事」という主張の根拠として示されています。
動画で語られた「集客できない工務店の3つの間違い」
小倉が挙げた3つは、いずれも悪意なく、むしろ「よかれと思って」やっていることばかりです。だからこそ気づきにくく、じわじわと衰退の流れを生んでしまう、と話しています。
| 間違い | よくある行動 | 動画で語られた問題点 |
|---|---|---|
| ① 大手の真似をする | テレビCM、雑誌掲載、展示場出展、値引きでの反響獲得 | 年間数百億円規模の予算と数百人の人員を持つ相手と同じ土俵では勝ち目がない。しかも本来やるべき戦略に使う時間とお金まで失う |
| ② 紹介に依存する | 紹介があるから新規集客の施策は打たない | 来る時は来る、来ない時は来ない。ギャンブル化する |
| ③ 社長が現場に出続ける | 社長が現場監督・営業・設計まで担う | 現場のことしか考えられず、マーケティングやブランディングを考える時間が消える |
①について、動画では映像制作を例にしたやり取りが挟まれます。超大手の制作会社と同じ機材を揃え、同じ営業をかけたところで選ばれるとは限らない——その構図を、地域工務店も同じように踏んでいないか、という問いかけです。限られた予算・人員・時間を「何に投下するか」を決めることが先だ、と語られています。
②については、紹介がたくさんもらえること自体は地域工務店の特権であり、大事なものだと明言しています。問題は「紹介があるから何もしない」こと。理想は、紹介が一定数入る導線をつくりながら、新規が来る集客戦略も併せ持つ状態です。さらに一歩進めて、去年の紹介件数をもとに今年の目標件数を置き、そのために打つ施策を決める——紹介そのものを仕組み化できているかが分かれ目だと述べています。
③は経営者にとって最も耳の痛い指摘かもしれません。現場に出ている時間、営業している時間は、その目の前のことしか考えられない。結果として自社の経営を考える時間が夜と休日に押し出され、紹介以外の新規獲得の手が打てなくなる、という構造です。
逆転ステップ①:この地域で「何の1番」になるかを決める
ここから動画は反転攻勢の話に入ります。最初にやるべきことは、この地域で何の1番になるかを決めること。そして小倉が「一番危険」と切り捨てたのが、「何でもできます」「お客様のご希望に合わせます」という打ち出しでした。何でもできるは、結局「どこでもいい」になってしまう、という理屈です。
動画では他業界の例が次々に挙げられます。ダイエットといえばあの会社、安いファミレスといえばあの店、深夜に何でも揃う店といえばあのチェーン——「○○といえばここ」が頭に刷り込まれている状態こそがブランディングの成果だ、という説明です。
工務店に置き換えれば、打ち出し方はむしろ作りやすい、と小倉は言います。動画内で例示されたのは次のような切り口です。
- コンパクトな平屋といえば、この会社
- アウトドアな暮らしをつくる工務店といえば、この会社
- シニア向け住宅といえば、この会社(段差が少ない、化学製品を使わない等の連想が働く)
- 建築家を起用した超高級住宅といえば、この会社
実例として、ホームページのファーストビューを見た瞬間に「富裕層向けの豪邸をつくる会社」だと分かる大阪の工務店の例が紹介されています。自社の売りは尖っているか、ファーストビューだけで伝わるか、という問いです。
そしてこのステップの肝は、選ばれるお客様を決めることは、選ばれないお客様を決めることでもある、という点。動画では「捨てるお客様を決める」という強い言葉で語られています。言い方は厳しいものの、誰に選ばれるかを決め切らないと尖りは生まれない、という主張です。
逆転ステップ②③:お客様を「次の集客」に変え、安心を積み上げる
2つ目は、今のお客様が次のお客様を連れてくる仕組みを意図的につくること。これは紹介制度の話ではない、と動画では明確に区別されています。紹介は相手の善意頼みですが、こちらは自社が設計して回す仕組みです。
動画で語られた流れを工務店に置き換えると、こうなります。
- お客様になった時点で、なぜ自社を選んだのかを含めたインタビューを撮る
- お引き渡しのタイミングで一緒に写真を撮り、SNSへの投稿をお願いする
- その投稿を自社アカウントで引用・紹介する
- 同じ素材をブログ記事・お客様ストーリーとしてホームページに掲載する
- 公式LINEやInstagramでも展開する
1組のお客様から、次の集客のきっかけが複数生まれる形です。重要なのは、これを担当者の裁量に任せず、あらかじめ全部決めておくこと。お客様をお客様で終わらせない、という設計思想が語られています。
3つ目は、ホームページとSNSに「思い」と「実例」を載せること。すでに取り組んでいる会社は多いものの、性能・価格・間取り・スペックの情報にとどまりがちだ、という指摘です。載せるべきは次の2つだと整理されています。
- 社長やスタッフの思い:どんな家づくりをしているか、なぜそうしているか、お客様にどうなってほしいか
- 建てていただいたお客様のストーリー:検討の経緯、暮らし始めてからの変化
この2つを動画コンテンツとして積み上げることが「安心」につながる、というのが動画の核心部分です。家づくりは超高額商品であり、買う前のお客様は不安を抱えている。その不安を払拭するのはスペックではなく安心であり、大手ハウスメーカーはその安心を総合展示場・雑誌・メディア・営業といった接点の多さで巧みに設計している。地域工務店が同じ手段は取れなくても、発信によって安心を取りにいくことはできる、という構図です。
「今じゃなくていい」が一番危険だと語られた理由
動画の後半、聞き手から「まだ紹介も回っているし、今やる必要はあるのか」という率直な問いが投げかけられます。これに対し小倉は「超危険マインド」と即答し、現状維持思考こそが最も危ういと語りました。
これまで関わった中で倒産した会社、借入が膨らんで立ち行かなくなった会社のほとんどが同じ台詞を口にしていた——「今じゃなくていいかな」。そしてうまくいかなかった社長が次に言う言葉は「あの時やっておけば良かった」だった、と述べています。
先送りが致命傷になる理由として、動画では工務店経営の構造が挙げられています。
- 人件費・事務所やモデルハウスの維持費など固定費が高い
- 材料費が上がっている一方、価格は据え置きになりがちで粗利が削られる
- 競合が増え、価格も上げづらい
- 集客に困る会社が増え、マーケティングコストも上昇している
この四方ふさがりの状況で動かない理屈はない、というのが小倉の主張です。投資できる予算があるなら今動く。使える補助金・助成金の制度があるなら今取り入れる。1年後・2年後に社員が路頭に迷わないように、そして建てていただいたお客様が困らないように、気づいた瞬間に動くことが最も大事だ、と締めています。
明日からやること
動画の内容を、経営者がすぐ着手できる順に並べ直すと次のようになります。いきなり全部は必要ありません。上から順に、が動画の趣旨です。
| 順番 | やること | 目安 |
|---|---|---|
| 1 | 自社が「この地域で何の1番か」を一文で書き出す | 今週中・所要30分 |
| 2 | 同時に「対象にしないお客様」も書き出す | 同上 |
| 3 | ホームページのファーストビューを1で書いた一文と照合する | 今週中 |
| 4 | お客様インタビュー・引き渡し写真・SNS投稿依頼を業務フローに組み込む | 今月中 |
| 5 | 社長やスタッフの思いを語るコンテンツを1本つくる | 今月中 |
| 6 | 社長が経営だけを考える時間をカレンダーに固定する | 今すぐ・週1回から |
| 7 | 発信の本数目標を決め、続く体制をつくる | 来月から |
特に6は、他のすべての前提になります。社長が現場に埋まったままでは、1から5を決める人がいなくなるためです。
よくある質問
Q. 尖らせると、対象外のお客様を逃して受注が減りませんか?
動画では、選ばれるお客様を決めることは選ばれないお客様を決めることとセットだと明言されています。「何でもできます」は結局「どこでもいい」になり、価格比較の土俵に引きずり込まれる。その状態こそが、大手と同じ土俵で戦う構図だという整理です。まずは強みのある領域で「この分野ならこの会社」と言われる状態をつくることが、動画で示された順番です。
Q. 発信は月10投稿ではダメなのでしょうか?
動画では「10投稿がダメなわけではない」と前置きしたうえで、最高の10投稿を外注で作り続けるのは難しい、と語られています。紹介された支援先は160投稿を積み上げて結果につながった、という数字が示されました。質だけを追って本数が出ない状態より、まず出し続けられる体制を持つことが先だ、という主張です。
Q. 社長が現場を離れられない場合はどうすればいいですか?
動画では、まず「考える時間をつくらないといけない」という原則が示されています。現場・営業・設計をすべて社長が担っている会社は危険であり、経営を考える時間が夜と休日にしか残らない状態を前提にしないこと。加えて、やるべきことが山積みで何から手をつけるか分からないという状態に対しては、自社の売り・人材・投資可能額を踏まえて着手順を月単位に落とす「経営の設計図(ロードマップ)」を一緒に作る取り組みが動画内で案内されています。
まとめ
地域工務店の集客が止まるのは、努力不足ではなく順番と意思決定の設計不足である——これが今回の動画の結論です。大手の真似をやめ、紹介を仕組みに変え、社長が経営を考える時間を取り戻す。そのうえで、1番になる領域を決め、お客様を次の集客に変え、思いと実例で安心を積み上げる。どれも高額な投資を必要としない打ち手ばかりです。
そして最も避けるべきは「今じゃなくていいかな」。気づいた瞬間に動けるかどうかが、1年後・2年後の景色を変えます。
続きや実際のやり取りは動画でご覧ください: YouTubeで動画を見る
なお、発信の継続や資料づくりなど、手が回らない実務が壁になるケースも少なくありません。工務店×AIの実務は、AI業務代行『マルオくんAI』(株式会社ウィズモー提携)に丸投げできます。
監修:株式会社ウィズモー(工務店の事業促進・社内改善支援)
