工務店のSNS集客が来ない原因は?密着コンサルの現場から
結論:工務店のSNS集客は「企画」と「受け皿」がそろって初めて成果になる
「毎月広告費を何十万円とかけているのに来場につながらない」「動画の再生数は伸びるのに反響が来ない」。今回の動画で小倉が訪問したのは、まさにその状態にある地域工務店様でした。女性設計士が代表を務め、こだわりの詰まった住まいを手がけている会社ですが、SNSからの集客は現状ほぼゼロ。そこへ実際にコンサルティングに入る様子が、最初から最後まで公開されています。
動画全体を通して小倉が繰り返しているのは、次の一点に尽きます。
- フォロワー数や登録者数そのものは目的ではない。大事なのは「集客につながっているか」「受注につながっているか」
- そのためには動画の企画と、問い合わせを受け止める受け皿(ホームページ・LP・公式LINE)をセットで設計する必要がある
- 片方だけでは、どれだけ投稿しても反響は生まれない
小倉は動画内で「ルームツアーをして動画は伸びるんですけど反響が来ない、という工務店さんは結構多い。もったいないですね」と話しています。工務店のSNS運用でつまずくポイントは、撮影の巧拙ではなく、この設計の有無だという整理です。
崖っぷちと言われる地域工務店で、実際に起きていたこと
訪問先の状況として動画内で語られた内容を整理すると、次のようになります。数字はいずれも打ち合わせの中で語られたものです。
| 項目 | 動画内で語られた内容 |
|---|---|
| 年間の棟数 | 8棟から10棟程度を安定的に施工 |
| これまでの集客手段 | 紹介中心。ポータルサイト、新聞折込、メタ広告で月30万円ほどが平均 |
| SNS・ホームページからの反響 | ほぼゼロに近い状態 |
| 目標 | SNS経由で月5組の来場 |
| ターゲット | 40代以上。共働きで世帯収入が比較的高い層が中心 |
| 競合 | 同じ世界観を持つハウスメーカー |
興味深いのは、社長自身が「私に知識がない」とはっきり口にしている点です。やりたい企画のイメージはあるものの、どんな構成で、どんな動線で、どんな編集が正解なのかが分からない。だから手が止まる。動画では、これを恥ずかしいことではなく出発点として正しい認識として扱っています。小倉も「やりたい気持ちは分かるが、地図を持たないまま船を動かすようなもの」と表現し、まず正しい運用を学ぶこと、そのうえで量と改善を回すことの順番を説いています。
登録者数は少なくていい。小倉が「68人で月5件」と語る理由
動画の中で小倉は、自身のチャンネルについて「始めて2ヶ月ほど、登録者が68人だった頃から、月に5件以上は工務店様からお問い合わせをいただいていた」と語っています。当時の登録者数は決して多くありません。それでも反響があったのは、誰に届けたいのかが明確で、見せ方が受注につながる形になっていたからだという説明です。
ここで小倉は、広告とSNSの役割の違いにも触れています。
| 広告 | SNS | |
|---|---|---|
| 認知の獲得 | 速い。出せばすぐアクセスが伸びる | 時間はかかる |
| 受注へのつながり | つながりにくく、コストも高くなりやすい | ファンになった状態で来場してもらえる |
| 資産性 | 止めれば流入も止まる | 一度作ればストックとして回り続ける |
「ただインプレッションを取って認知を広げたいだけなら広告のほうが早い」。そう言い切ったうえで、SNSの価値は企画と受け皿さえ整えば、フォロワーが少なくても来場確率が高い点にあると整理しています。逆に一番やってはいけないのは「分からないまま手探りで、しかも頻度が少ない運用」。時間もコストも最ももったいない使い方だと話しています。
また、発信内容についても具体的な指摘がありました。「うちはこういうのがいいですと言いたいことを並べても滑る。お客様が知りたいことを発信する」。競合と迷っている検討層に対して、比較の判断材料を提供する視点です。
資料請求で終わらせない。問い合わせを来場予約に変える動線
この回で最も実務的だったのが、問い合わせ後の対応についてのやり取りです。訪問先では、新聞広告からの問い合わせに対して資料を送付し、「見てまた連絡します」というところまで来ていました。これに対して小倉は「もったいない」と反応しています。
動画では、自身が運営する外構会社の運用として、次のような考え方が語られました。
| よくある対応 | 動画で語られた対応 |
|---|---|
| 資料請求フォームを用意し、資料を送って返事を待つ | 資料請求の窓口そのものを作らない。まず来場予約へ誘導する |
| 相手からの連絡待ちになる | 公式LINEでつながり、こちらから接触できる状態にする |
| 電話がつながらなければそこで終了 | 電話後にLINEで一報を入れ、返信がなければ改めて来場を案内する |
| 資料だけ渡して満足されて終わる | 資料は来場者限定とし、渡しながら説明して次回アポにつなげる |
ポイントは「相手のターンにしない」という表現です。資料を送った瞬間に主導権が相手側に移り、そのまま止まってしまう。だからこそLINEでつながり、こちらから次の一手を打てる状態を作る。小倉は「資料を送って終わりの会社が多いからこそ、来場してもらうだけで差がつく」と話しています。
ホームページとLP(ランディングページ)の使い分けについても言及がありました。通常のホームページは回遊できてしまうため、広告から流入した見込み客が離脱しやすい。そこで広告用に出口を絞ったLPを別途用意し、そこから公式LINEへ誘導するのが王道だという説明です。価格が分かりやすいLP、施工事例を厚く載せたLPなど複数を用意して広告と組み合わせる手法にも触れています。一方で、検索(SEO)からの流入にはLPは向かず、ホームページで受けるべきだという整理もありました。
月5組を集めるといくらかかるのか——数字で考える集客コスト
動画では、来場1組あたりのマーケティングコストについても具体的な数字が語られました。いずれも動画内で小倉が挙げた目安です。
- 全国平均では、1組の来場におよそ7万円から8万円
- その地域で認知が強い会社であれば3万円程度まで下がることもある
- したがって月5組を狙うなら40万円前後が一つの目安になる
訪問先は既に月30万円ほどを広告に使っており、「予算が足りない」のではなく「どこに、どういう動線で使うか」が課題だという整理になりました。ここで小倉が示したのが追加投資ではなく振り替えという発想です。今かけている予算のうち一部を3ヶ月だけ別の施策に回して効果測定し、ダメなら戻せばいい。新たな持ち出しがなくても検証は始められる、という考え方です。
さらに契約率の話も出ました。来場からの契約率が3割であれば、年間36組の来場で10棟前後に届く計算になります。ただし注意点として、紹介中心だった会社がマーケティングで集客を始めると、「いいな」という軽い気持ちの来場者が増える分、全体の打率は一度下がる可能性が高いと指摘されています。だからこそ、動線設計や営業の受け止め方まで含めて組み立てる必要がある、という流れです。
一番の壁は「続かないこと」。キックオフの熱をどう保つか
動画の終盤で小倉が強調していたのが、継続の難しさです。「キックオフはめちゃくちゃ盛り上がる。月10本やるぞと。でも2ヶ月経つと撮影が大変になる」。実際に、月4本でスタートした支援先から「2週間に1回のペースを月1回にしたい」と相談があったと語られています。
そこで提示されたのが、正解を探すのではなく試して振り返るサイクルを回すという考え方です。
- 100点の正解はすぐには見つからない。会社の強みもアカウントの状況も違う
- 最悪なのは、何も考えずに6ヶ月同じことを続けること
- 1ヶ月ごとに数値を見て、ダメなら違うやり方を試す。少しずつ良くしていくのが最短距離
実際の打ち合わせでも、Instagramのプロフィールアクセス数とホームページへの遷移数を数値管理シートで確認し、「プロフィールには来ているがリンクが押されていない。ここの誘導が弱いかもしれない」という具体的な改善点が見つかっていました。数字を見るとは、こういう粒度の話だという好例です。
なお、YouTubeの投稿本数についても言及がありました。小倉自身は月30本を投稿しており、そこまで物量を投下できるなら細かい動線設計を多少省いても問い合わせは来る。逆に本数が少なくなるほど、LPや公式LINEといった小技を丁寧に設計しないと反響は取りにくくなる、という説明です。
明日からやること
動画の内容を、自社で今日から着手できる形に落とし込むと次のようになります。
- 受け皿を点検する。SNSのプロフィールから問い合わせまで、何回タップが必要か自分で辿ってみる。途中で迷う箇所が離脱ポイントです
- 資料請求の運用を見直す。送って終わりになっていないか。来場予約または公式LINE登録へつなぐ導線に置き換えられないかを検討する
- 現在の集客コストを棚卸しする。媒体ごとの月額と、そこから何組来場したかを書き出す。1組あたりの金額を出すところから始める
- 数値を1枚のシートにまとめる。プロフィールアクセス数、リンククリック数、問い合わせ数。この3つだけでも改善点は見えてきます
- 発信内容を「言いたいこと」から「知りたいこと」へ書き換える。競合と比較検討している人が何を知りたいかを起点に企画を並べ直す
- 投稿頻度を無理のない水準で固定する。月10本の宣言より、確実に続く本数を決めて1ヶ月ごとに振り返るほうが結果につながります
よくある質問
フォロワーや登録者が少なくても集客できますか
動画では、小倉自身がチャンネル登録者68人の時点で月5件以上の問い合わせを得ていたと語られています。重要なのは数ではなく、誰に向けた発信か、そして問い合わせを受け止める受け皿があるかどうかだという説明です。数万人規模のアカウントでも受注につながっていないケースがある、という指摘もありました。
InstagramとYouTube、どちらを優先すべきですか
動画の中では、BtoBはX、BtoCはYouTubeとの相性が語られていました。訪問先については、ブランディングを重視する方針と広告出稿時の制限の観点から、InstagramよりもYouTubeの運用を軸にする方向で話が進んでいます。ただしこれは各社のターゲットと世界観次第であり、一律の正解はないという前提で語られています。
資料請求フォームはなくしてしまってよいのでしょうか
動画では、小倉が運営する外構会社では資料請求フォームを設けず、まず来場予約へ誘導していると語られています。工務店の場合も、資料請求で受けるなら公式LINEにつなげて接触できる状態を作り、資料は来場者限定として渡す運用が提案されていました。フォームの有無そのものより、その後こちらから動けるかどうかが論点です。
まとめ
今回の動画は、コンサルティングの中身が見えにくいという声に応えて、実際の打ち合わせから撮影レクチャー、同席スタッフの感想までを公開した密着回です。語られていたのは特別な裏技ではなく、誰に届けるかを決め、受け皿を作り、数字を見て毎月改善するという基本の積み重ねでした。SNSの反響が伸び悩んでいる会社ほど、投稿本数を増やす前に動線を点検する価値があります。
続きや実際のやり取りは動画でご覧ください: YouTubeで動画を見る
なお、数値管理シートの整理や投稿企画のたたき台づくりなど、工務店×AIの実務は、AI業務代行『マルオくんAI』(株式会社ウィズモー提携)に丸投げできます。
監修:株式会社ウィズモー(工務店の事業促進・社内改善支援)
