工務店の集客はこう変わる|未経験から月50組を取る現場の裏側

結論:工務店の集客は「人の能力」より「型」で決まる

この動画は、小倉和が支援先である千葉県の株式会社エムトラスト様を訪ね、マーケティング実務を担当されている佐藤様に話を聞いた回です。テーマは「マーケティング未経験の担当者が、月50件以上の反響獲得を実現するまでに何をしたのか」。

結論として動画で繰り返し語られていたのは、次の2点です。

  • 型(シート・テンプレート)があること — やるべきタスクと見るべき数字が最初から分かる状態をつくる
  • 相談できる先があること — 自分の行動が正しいか、改善すべきかを判断できる相手がいる

佐藤様は前職でテーマパークに勤務され、住宅・建築のマーケティングは完全な未経験。入社は2年ほど前と語られています。それでも成果が出た理由を、本人は「できる営業マンが1人いるよりも、できる型がある方が絶対にいい」という言葉で表現していました。属人的な才能ではなく、再現できる仕組みに寄せた結果だ、という整理です。

背景:3年前はホームページも無く、紹介頼みだった

動画では、支援開始前の状況についても率直に語られています。数字はいずれも動画内で語られた内容です。

項目 支援前(約3年前) 現在
ホームページ 事業ごとに無い状態 整備済み・LPも自社で改善
反響の出どころ 社長の紹介が7〜8割以上 YouTube・SNS・広告・SEOから獲得
広告の費用対効果 月100万円で1〜2件、2〜3件が当たり前 YouTube経由だけで月50件以上
公式LINE 未活用 友だち2,000人以上・ステップ配信稼働
組織 マーケティング部署なし マーケティング部を設置
売上 — 10億〜12億円で安定と語られています

同社は新築の注文住宅、リフォーム、外構エクステリア、店舗・オフィスの内装、共同住宅(アパート)と、BtoCとBtoBをまたぐ4つの柱を持つ会社として紹介されています。事業ごとにターゲットも打ち出し方も違う。だからこそ「全部を同じやり方でやる」のではなく、事業別に導線を設計し直したことが大きかった、という話の流れになっています。

YouTubeは「チャンネル設計」で8割決まる

同社が約2年前に立ち上げたのは、内装工事に特化したチャンネルです。佐藤様が「うまくできた理由」として最初に挙げたのは、最初の設計をやり込んだことでした。

最も難しかったのは、内装工事というニッチな領域を狙って本当に需要があるのか、という需要予測の部分だったと語られています。ここを社内で詰め、撮影会社・編集会社の面談にも支援側が同席しながらパートナーを選定し、チャンネルコンセプトを固めた。最初の半年は「暗闇の中で、効果があるのか分からない」状態だったものの、制作側からは比較的早く結果が出た方だと評価されたそうです。

そして建設業でYouTubeをやるかどうかの判断基準として、動画では明確な一言が出てきます。

建設のYouTubeは現場の素材。現場の素材がどれくらい取れるかが、やるかやらないかの判断基準になる。

撮影スタジオや企画力の話ではなく、「自社の現場を撮れるか」。これはカメラを買う前に確認できることです。

動画から受注へ:全部LINEに集めて、特典をつくりまくる

動画で最も強調されていたのが、YouTubeの先の導線です。「YouTubeをやっているだけでは受注は取れない」。やるべきことは2つだけ、と語られています。

  1. 公式LINEを分かりやすく作る
  2. 特典(プレゼント)を作りまくる

流れにすると、動画を見た人に特典をオファーして公式LINEに登録してもらう → ステップ配信で「個別相談に行きたい」「オンライン相談をしたい」という気持ちを育てる → 相談・来場につなげる、という形です。いきなり「見学会に来てください」ではハードルが高い。だから手前に段差を1つ置く、という考え方です。

佐藤様の担当範囲として動画で挙げられたのは、YouTube管理、広告運用、SEO対策、Instagram・Xの更新(月の3分の1ほどの日数、8〜10回程度)、公式LINE構築とステップ配信、LPとチラシの制作、さらに反響後のインサイドセールスまで。小倉からは「やりすぎなんですよね」という言葉も出ていました。

LPは「作って納品」で終わらせない

LPについては具体的な運用頻度が語られています。3日に1回ヒートマップを見て打ち合わせをする。理由は工務店のイベント期間の短さです。長くても2週間ほどのイベントに対し、2週間前から広告を回すと検証できる期間は1か月もない。だから週1回では間に合わない、という論理です。

「LPを数十万円で作って納品されて、広告を回して終わり」が一番もったいない、1回作ったら完成度が高くなるまで磨き続けた方が絶対にいい、という点で2人の意見が一致していました。

反響が爆発している会社がやっている2つのこと

秘訣を聞かれた佐藤様の答えは、シンプルに2つでした。

ポイント 具体策として語られた内容
①問い合わせのハードルを下げる 資料請求、Web上のカタログダウンロード、YouTube特典のダウンロードなど。まずは電話番号・メールアドレスを取得して連絡を取り始める
②反響を取りこぼさない 施策を複数動かすと「見えない反響」が生まれる。InstagramのDM、公式LINEのメッセージを毎日チェックする

②について動画では、SNS・YouTube・ホームページと施策を増やすほど、気づかないうちに届いているメッセージが発生すると語られています。自動化できる部分は自動化し、それでも最後は自分でチェックする。この地味な作業が月50組を支えているという話です。なお施策については「1点集中よりまんべんなくやるのがおすすめ」「複数やることで効果が2倍3倍に上がる」という見解が示されていました。

使っているツールとしては、日程調整の自動化ツール、マーケティングオートメーション(顧客属性に応じたメール配信)、Lステップ、Slackなどが挙げられています。最初に入れるべきツールとして語られたのは、問い合わせへの自動返信。ホームページから問い合わせが来た瞬間に自動で返信が飛ぶので、初動の取りこぼしがなくなる、という理由です。

ノウハウ共有の切り札「業務フローシート」

最近うまく使えた型として佐藤様が挙げたのが、工務店担当者向けの業務フローシートです。背景にあった悩みは、建築業界ではノウハウの共有が難しいこと。新人が入っても何をしたらいいか分からず、マネジメントの時間も取れない——多くの工務店に共通する課題です。

そこで、社内で一番うまくいっている人のやり方をフロー化し、誰でも管理・実行できるシートに落とし込んだと語られています。動画で語られた特徴は次の通りです。

  • 一般的なDXツールの工程表やタスクシートは、会社ごとに得意分野・顧客構造・経営資源が違うため使いこなせない。だから自社で一番成果を出している人の型を使う
  • 見えていないのは「工程と工程の間」。誰に依頼するか、何日前に何を準備するか、どの資料をアップロードするかまで細かく記載
  • 着工日から逆算して、いつまでに何をやるかが自動で出る
  • タスクごとに担当者を最初から明示。「なんでやってないの」「それって私の仕事だったんですか」という最も意味のない会話をなくす
  • 原価管理も連動。発注内容の必要項目を埋めれば書類が自動作成される

作成ツールはスプレッドシート。実際に「これ誰がいつまでやるんだろう」という会話が社内からなくなったと語られています。型を渡しても支援者がいなくなると使われなくなる会社が多い、という小倉の指摘に対し、同社では定着しているという点も印象的なやり取りでした。

明日からやること

動画の内容を、自社で着手できる順に並べ直すと次のようになります。

  1. 現場素材を撮れるか確認する:動画施策の可否は企画力より現場の撮影量で決まる。まずスマホで1現場撮ってみる
  2. 問い合わせの手前に段差を1つ作る:来場予約だけでなく、カタログDL・事例集DLなど連絡先だけで受け取れる入口を用意する
  3. 公式LINEを「分かりやすく」整える:メニューを絞り、特典→ステップ配信→個別相談の流れを1本つくる
  4. 問い合わせへの自動返信を設定する:初動の取りこぼしを止める。最も安く効く一手
  5. 見えない反響のチェック時間を日課にする:InstagramのDM、LINEの個別メッセージを毎日見る担当と時間を決める
  6. LPは「公開後に磨く前提」で予算を組む:制作費だけでなく、ヒートマップ確認と修正の工数を最初から見込む
  7. 一番うまくいっている社員の動きをフロー化する:工程の間にある準備・依頼・期限まで書き出し、担当者を明記する

まとめ

この動画が示しているのは、「優秀な人を採れたから集客できた」という話ではありません。未経験の担当者が、型と相談先という2つの足場を得て、現場素材→YouTube→特典→公式LINE→ステップ配信→個別相談という導線を一つずつ組み上げた結果だ、という構造です。

月50組という数字の裏にあるのは、3日に1回のヒートマップ確認と、毎日のDMチェックでした。派手な一手ではなく、工程の間を埋める作業の積み上げ。そこが一番再現しやすい部分でもあります。

続きや実際のやり取りは動画でご覧ください: YouTubeで動画を見る

よくある質問

Q. 社内にマーケティング経験者が1人もいません。それでも始められますか?

動画の事例は、まさにその状態からのスタートとして語られています。佐藤様は前職がテーマパーク勤務で、住宅マーケティングは未経験。成果が出た理由として挙げられたのは個人のスキルではなく、「やるべきタスクと見るべき数字が分かるシートがあったこと」と「SNSに詳しい人に相談できる機会が豊富にあったこと」の2点でした。ゼロから始める人にこそ型が必要だ、というのが本人の言葉です。

Q. YouTubeは工務店でも成果が出ますか?何から判断すべきですか?

動画では、やるかやらないかの判断基準は「現場の素材がどれだけ取れるか」だと語られています。建設業のYouTubeは現場映像が主役なので、撮影できる現場の量が勝負どころになる、という見方です。加えて、立ち上げ時の需要予測とチャンネルコンセプト設計が最も難しく、最も重要だった点も強調されていました。最初の半年は手応えが見えにくい、という前提も率直に語られています。

Q. 複数の施策を同時にやるべきか、1つに集中すべきか?

動画では「1点集中よりまんべんなくやるのがおすすめ」「複数やっておくことで効果が2倍3倍に上がる」という見解が示されています。ただし同時に、施策を増やすと見えない反響が発生するという注意点もセットで語られていました。広げるなら、DMやLINEの個別メッセージを毎日確認する運用を先に決めておくことが前提になります。

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監修:株式会社ウィズモー(工務店の事業促進・社内改善支援)

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