工務店経営の学び場|160社が集う熊本視察研修に潜入
結論:工務店経営の次の一手は「上位層と同じ部屋にいる時間」から生まれる
今回の動画で小倉が訪れたのは、熊本県で開かれた「ピュアグロースクラブ」の視察研修です。全国の工務店・ハウスビルダーの経営者が集まる会で、動画内では「今日は160名ほど、170名近く来られている」「移動用のバスが5台」と語られています。1台あたり約30名が乗り、グループごとに視察先を回る形式です。
丸一日同行した小倉が最後に出した結論は、次の3点に整理できます。
- 情報量と参加費を比べると、結論としておすすめできる会だったと話しています
- 1棟〜10棟規模の会社でも参加する価値がある。50億・100億規模の会社しか来られない場ではない、という趣旨の説明がありました
- 「治安が良い」会だった。50億・100億を手がける社長ほど紳士的で丁寧、そして謙虚だった、と語られています
工務店経営の悩みは、集客でも採用でも、たいていは「自社の中だけで考えている」ことに原因があります。小倉は動画の締めで、猿山の大将にならず、俯瞰して経営する——その状態を実際に見られるのが、こうした場の価値だと話しています。
背景:「工務店コンサルは怪しい」という壁が、学びの機会を遠ざけている
動画のタイトルには「潜入調査」という言葉が使われていますが、これは半分本音です。小倉自身、冒頭で「色々と怪しんで来ていた」と明かしています。
地域工務店の経営者から寄せられる不安として、動画では次のような声が挙げられています。
- 工務店コンサルが何をしているのか分からない
- 騙されそうで怖い、詐欺に遭いそう
- 100億・200億規模の会社が集まる場に、自社のような1億・5億規模では参加しづらい
この壁を越えるために、小倉は「研修の中では実際にこんなことをやっている」と中身を発信する立場を取っています。見えないから怖い、という構造を、見せることで崩すという考え方です。以下、動画で紹介された3つの視察先を順に整理します。
視察①:3Dプリンター住宅のモデル棟は「実験棟」として公開されていた
最初の視察先は、熊本県のビルダー様が手がける3Dプリンター住宅のモデル棟です。案内役の方から語られた内容は次の通りです。
| 項目 | 動画内で語られた内容 |
|---|---|
| 竣工 | 2024年1月 |
| 広さ | 約15平米 |
| 構造 | 鉄骨によるラーメン構造 |
| 位置づけ | 実験棟として公開、撮影も可 |
小倉が実際に中に入って注目したのは、仕上げの質感です。外壁に出ているクラック(ひび)が「むしろおしゃれ」「カフェのよう」に見えると話し、内部では柱と梁が構造ではなく化粧材であることを確認しています。つまり、3Dプリンターで何がどこまで実現できているのかを、建物の中に入って自分の目で切り分けている。これが現地視察の価値そのものです。
視察は1グループあたり、1棟30分+次の施設30分の計1時間刻みで組まれていたと説明されています。170名近い経営者を、見学の密度を落とさずに回す運営設計になっていました。
視察②:モール内展示場は「月30〜35組を5名で」回していた
2つ目の視察先は、大型ショッピングモール内に出店した展示場です。アパレルや通販のナショナルブランドとコラボした商品展開をされているという紹介があり、小倉は「平日のモールに工務店の方がこれだけ集まっている」光景そのものを面白がっています。
ここで語られた数字が、集客を考える上で最も実務的でした。
- 来場:月間およそ30組〜35組
- 対応:営業5名でこの店舗を運営
モール出店は「集客装置として機能するのか」「人は何人必要なのか」が外からは分かりません。動画では、その2つが現場のスタッフから直接語られています。自社で同じことをやるかどうかの判断材料は、カタログではなくこういう会話の中にあります。
視察③:元小学校を改装した第2本社に、約560名が働いていた
3つ目は、閉校した小学校を改装してつくられた第2本社です。動画内では次のように説明されています。
| 項目 | 動画内で語られた内容 |
|---|---|
| 開設 | 2023年7月 |
| 勤務人数 | 通常およそ560名(2階・3階を含む) |
| 入居部署 | 工程管理・原価管理、現場監督、カスタマーサポート、内装コーディネーターなど |
| 会議室 | 1階に6室、ほかに最大80名の会議スペース |
見どころとして語られたのは、既存物の使い方と動線設計です。黒板やランドセルを入れていた背面の棚は、そのまま活用されています。一方で、廊下と教室を区切る引き戸は撤去され、柱で区切る開放的な形に変えられていました。
その意図についてはこう説明されています。廊下と教室を仕切ったまま部署を配置すると閉鎖的になり、部署間のコミュニケーションが取りづらい。そこで壁を取り払い、奥の部屋に行くにはすべての部屋を通らなければならない状態を、あえてつくり出している——。休憩スペースには卓球台も置かれていました。
工程管理も原価管理もカスタマーサポートも、結局は部署をまたいだ情報の受け渡しで詰まります。それを制度ではなく建物の動線で解こうとしている事例として、非常に学びの多い視察先でした。
参加者の声:なぜ彼らは全国から熊本に集まるのか
小倉は視察の合間に、参加している経営者にマイクを向けています。社名は動画内で語られていますが、ここでは立場だけを整理します。
- 登録者10万人超の建築系YouTubeチャンネルを運営する工務店の社長様:参加理由として「主催者の方の頭の中を見たい」、そして「来る人たちがみんな前向きで、出会いの場としても良い」「単純に家と住宅事業が好きだから楽しみに来ている」と語られていました
- 沖縄の工務店の社長様(初参加):「お会いする方々が皆すごい社長ばかりで刺激を受けている」との声
- 岩手のフランチャイズ加盟店の社長様(初参加):SNSで見ていた経営者に実際に会える場だった、という趣旨の話がありました
- 住宅業界の転職エージェントの方:住宅会社に在籍しながら他社の採用支援も行っているとのことで、小倉は建設業の採用難を踏まえ「今度じっくり聞かせてほしい」と話しています
夜は懇親会に移り、熊本でよく行われるという「男気じゃんけん」の様子も収められています。支払いを賭けたじゃんけんの前に、すでにある社長が会計を済ませていた——という落ちでした。学びの場であり、同時に横のつながりができる場でもある、ということがよく分かる場面です。
明日からやること
動画の内容を、自社で動かせる形に落とすと次の4つになります。
- 今年、社外に出る日を予定表に入れる。視察でも研修でも構いません。棟数規模で遠慮して参加しない、という判断を一度やめてみることです
- 視察に行くときは「聞く数字」を3つ決めていく。今回なら「月間来場組数」「営業人数」「竣工年」。この3つを聞くだけで、自社と比較できる形になります
- 自社の事務所の動線を点検する。部署間のコミュニケーションが悪いなら、ルールより先に、席と壁と通り道を見直す余地があります
- 社長一人で行かず、幹部を連れていく。50億・100億規模の経営者の立ち居振る舞いを見ることそのものが、社内では得られない教材になります
よくある質問
Q. 年間数棟の会社が、100億規模の会社が集まる場に行っても意味がありますか?
動画の中で小倉は、1棟から10棟の会社でも、成長したい意志があるなら十分に価値があると話しています。理由は、すでに先を行っている先輩経営者の話を直接聞けるからです。重要なのは規模を比べることではなく、「自社ならどう生かせるか」「どこを改善すればうまくいくか」に変換して持ち帰ることだと語られていました。
Q. 工務店向けのコンサルや研修は、やはり警戒すべきものでしょうか?
不安の声が多いこと自体は、動画内でも前提として語られています。だからこそ小倉は、中身を実際に撮って発信する立場を取っています。判断材料は、参加費の金額だけではなく「何が見られて、誰に会えて、どんな情報が得られるのか」が事前に分かるかどうかです。今回の視察は撮影可の形で公開されていました。
Q. 視察で見た取り組みを、そのまま自社に持ち込むべきですか?
3Dプリンター住宅もモール出店も、動画では「先進的な取り組み」「実験棟」として紹介されており、どの会社でも同じ成果が出るという説明はされていません。真似すべきは手法そのものより、意思決定の考え方です。たとえば「壁を取り払って全部屋を通る動線にする」という発想は、規模を問わず自社の事務所に応用できます。
まとめ
今回の動画は、工務店経営者が外の学びに踏み出せない理由——見えないから怖い——に、中身を見せることで応えた一本でした。バス5台・160名超という規模、3Dプリンター住宅、モール内展示場の月30〜35組、元小学校の第2本社で働く約560名。いずれも動画内で語られた数字です。
そして小倉が最も印象に残ったと話していたのは、設備や数字ではなく、成功している経営者ほど謙虚だったという一点でした。自社の中だけを見ていると、この感覚は手に入りません。
続きや実際のやり取りは動画でご覧ください: YouTubeで動画を見る
なお、視察で得た学びを社内に落とし込む作業や、集客・採用まわりの手が足りないときは、工務店×AIの実務は、AI業務代行『マルオくんAI』(株式会社ウィズモー提携)に丸投げできます。
監修:株式会社ウィズモー(工務店の事業促進・社内改善支援)
